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王子が帰ったので、通常の任務に戻る。

書類に目を通しながら、昼間に王子が言っていた事を思い出す。

魔物の出没地域を調べてみると、やはり王子に関係有る場所に出没している事が判明した。

詳しい情報を確認しようと本棚に資料を取りに立つと、いきなりお尻を撫でられた。

「隊長のお尻は女性の様に柔らかいですね」

触ってきたのは、またもや気配を消して近付いてきたウィルだった。

「貴様は、いちいち変態な登場をやめろ‼」

振り向きながらウィルの顔を殴った。

体重を乗せて殴ったのに、平然としているのが腹が立つ‼

「何故平気に立ってられる⁉」

「平気でありませんが、隊長からの愛ですからね。受け止めなければ!」

満面の笑みで言い切る。

「何しに来たんだ‼くだらない用件なら承知しない!」

「あの金属の事で言い忘れた事があったので来ました。呪に人間の血が使われてます」

「どう言う事だ?」

そこまでは分かりませんよと言われ、詳しく調べたいから金属をもっと持って来いと言ってきた。

「そう言えば、魔物討伐しても金属があったと報告無いな」

「討伐方法の違いでしょう。一撃で消滅させないと、魔物と共に消えてしまうのでしょう」

確かにあの時は光魔法で消滅させていた。

隊員達も実力は有るが一撃で消滅させなければいけないのなら、次からの討伐は人員を増やして一撃で仕留めるよう通達を出すか。

「わかった。試してみようと思うからもう少し待ってくれ。あと気配を消して近付いて来るな」

「待つのは構いませんよ。ですが、気配を消すのは辞めません。驚く顔を見るのが好きですからね」

では、と帰りがてらレナードのお尻を撫でて出て行った。

手元にあった本を投げつけたが扉にぶつかり、ウィルには当たらなかった。

「何なんだ‼あの変態は‼」

レナードの叫びは部屋に虚しく響いた。


イライラしながら書類の整理をしていると、カイルが入ってきた。

「珍しいですね。隊長が怒りながら仕事してるなんて」

街の様子を見ながら、部下を潜入させて来たとの事だった。

カイルの前に、ウィルが来て尻を撫でていった事などを話すとカイルは笑いだした。

「笑い事じゃ無い‼」

「いやぁ、すみません。ウィル様も相変わらずですね。アハハハッ」

笑いながらレナードの頭をポンポンと撫でる。

「子供扱いするな」

「たまに、そうやって感情を出して下さい。愚痴だって聞きますから」

年長のカイルは、砦の中でも良き兄の様な存在だ。

「カイルには敵わないな。ところで何か用だったのでは?」

「街に行ったのでコレを買ってきたんですよ。隊長が好きだったでしょう」

そう言って手に持っていたお菓子を差し出して来た。

紙袋の中には、甘さが控えめてホロホロとした食感の菓子が入っていた。

「これは隊長の分です。皆の分もあるのでどうぞ」

「有り難く頂くよ」

皆に配りにカイルが出ていったので、お茶を淹れ、誰もいない事を確認してからお菓子を食べる。

「~~~っ‼美味しい!頬っぺが落ちそう~~!!」

男だと中々食べる事が出来ないので、久しぶりに食べるお菓子が本当に美味しい。

甘いものを食べた事で疲れが吹っ飛んだので、カイルに感謝しないとなっとご機嫌で仕事に戻った。

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