時の姫君
戦国外伝。
~時の間の姫~
第一章「戦国時代へ…」
ー決して開けてはならないパンドラの箱ー
開けてしまったら、
時の流れに流される…
ガダガタ、ふきふきと、
音が聞こえる。
ここは倉の中、
一人の女性が片付けをしている。
「ここを片付けてっと!」
明るい声で独り言を話ながら、
倉の中を綺麗に掃除をしていた。
「ん?これは…何だろう?」
倉の中の隅っこに、
小さな木の箱を見つけた。
開けてみると、
綺麗な懐中時計が入っていた。
(懐中時計は、金色に光っていた。)
「わぁ!綺麗!」
彼女の素直な気持ち。
「ゆえー。片付けは終わった?」
ゆえと呼ばれた女性の母親だった。
「あっ!うん!今、片付け終わったよ!
それで、これなんだけど…この懐中時計、私、貰ってもいい?」
微笑みを浮かべて、
ゆえは母に尋ねた。
「もちろんよ!ゆえ、片付け頑張ったじゃない!ごほうびねっ☆」
母も笑顔で答えた。
夕飯まで時間がある、
ゆえは、自分の部屋にいた。
暫くして、ゆえは懐中時計を見た。
「綺麗な懐中時計…」
ゆえが自分の手のひらに
懐中時計をソッとのせた時…
誰かの声が聞こえたー…
(やっと見つけた、時の間の姫よ…)
低い男性の声。
ゆえは誰?!と大声を出した。
そしたら、懐中時計から
凄まじい光がさした!
ゆえが目をおおいたくなる光ー…
「えっ?何?」
と、不安にかられた瞬間…
ゆえは、自分の部屋から姿を消したー…
ー奥州、伊達領―
深い森の中を颯爽と馬に乗る、男がいたー…
その男の後を追うように、
もう一人の男がいたー…
「おい!小十郎、少し休むか?」
前を走っていた男が、
後ろを走る男に声をかけた。
「は!政宗様。」
小十郎と呼ばれた、
男は政宗と呼んだ男に返事をした。
「この辺に川原があるから、そこで休むぞ。小十郎。」
「はっ!」
近くの川原にやってきた、
政宗と小十郎。
馬は川の水を美味しそうに飲んでいる。
「ん?」
と、政宗が何かの気配を感じた瞬間…
光輝く丸い玉が、フッと現れたー…
眩しすぎる光の玉から、
一人の女が、ドサッと川原に落ちてきた。
ゆえは気絶していた。
「何だありゃ??」
政宗が不思議がり、
ゆえに近づこうとしたが…
「政宗様!忍や曲者かもしれません!小十郎が見て参ります!!」
小十郎は政宗を止め、
自分がゆえに近寄った…
「??」
「小十郎、どうした?」
小十郎が〝うーん〟と
首を傾げて、ゆえを見ていた。
「見たことねぇー着物だな…」
政宗はゆえを見て、
小十郎が何故
首を傾げていたのかがわかった。
「どう致しましょう…政宗様」
ここは、政宗の判断次第だ。
「小十郎、その女を連れてこい!」
政宗の決断は早かった。
「しかし…政宗様、本当に宜しいのですか?」
再び馬に乗り深い森を走っていた。
「小十郎、ここは奥州、
伊達領だぜ!俺の庭で身元がわからねぇ奴が死んじまってたら、民はどう思う?」
政宗の答えはあっている。
もし…あそこで、この女が
死んでいたら〝伊達政宗〟が見殺しにしたのではないか?と、民に広間ってしまうからだ。
数キロ走って、伊達家の城についた。
伊達の兵が
「政宗様と片倉様のお帰りだ!門を開けろ!」
と、言った瞬間に硬く重い門が開いた。
政宗と小十郎は、
颯爽と馬から降りた。
一人の兵が
「政宗様…その女は誰ですか?」
と、尋ねてきた。
政宗は
「転がっていたから
拾ってきた。」
と、涼しい顔をして言った。
「政宗様、本当に伊達家の城に入れて宜しいのですか?」
小十郎は険しい顔をしている。
政宗が小十郎に耳打ちした。
「俺は、女は好きじゃねぇ。暫くの間、監視をつけて妙な動きをしたら殺せ!いいな!!」
「はっ!承知!
しかし、監視役を誰にしましょうか?」
政宗は、少し悩み。
「茨木ゆづと伊田いちごがいいな。」
小十郎は、すぐに二人を呼びに行った。
暫くすると、若い二人の男がやってきた…
一人は、黒髪で長い髪を肩のところで結んでいる。瞳の色は紫で目つきが鋭い。
(茨城ゆづ)
もう一人は、茶髪で癖毛か後ろに少しピンっと跳ねている。瞳の色は緑。鋭い目つきはしていなかったが、
殺気が凄まじい。
(伊田いちご)
小十郎が事の経過を二人に話した。
ゆづは「御意!」と膝まずいた。
一方、いちごは「片倉様~その女、殺しちゃいましょうよ☆めんどくさいし!」
ニコニコしながら言った。
小十郎は、いちごに
「伊達家で気を失ってる、
女を殺す気か?」
ゆづも後に続くように
「政宗様の顔に泥を塗る気か?」
いちごは、めんどくさそうに。「はーい。」と答えた。
ゆづが小十郎に「片倉様、素性も知れぬ女。
ここは、離れの座敷牢に入れておくのが吉かと。」
小十郎は、少し迷っていた。
政宗に「ゆづの意見はどうでしょう?」と、尋ねた。
政宗は一言
「その女を、俺に近寄らせなければいい。」
殺気が漂っている。
「御意。」と政宗に頭を下げた。
小十郎の心の中は、複雑だった。
ー政宗様はいつになれば、
心を許せる女に出会えるのだろうかー
空はどこまでも、
青かった…