表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

【詩集】はるのことば

【詩】少女の神話

作者: につき

はたはたと

蝶は花へとまった。


漆黒のアゲハ蝶は、

純白に輝く花へとまる。


色は違えど、

その輝きと魂を映す。


海が空を映すように、

蝶は花を映して美しい。




新しいままの朝に

鳥は囀っている。


やわらかな小鳥の中に

流れる美しい旋律。


仄かな美しさは儚くて、

強い光に隠れてしまう。


夜に輝く星のように、

目を閉じて輝くもの。




土の匂いの昇っていく。

空の大きさを測るもの。


雨音は雲の語るこえ。

耳濡れて思いは沈む。


かなしみは突き抜けた痕。

吹き抜ける冷めた風の音。


暮れて消えゆく海の光。

風に乗る少女のこころ。




素足に履いた

サンダルに花びら。


白く輝く、

ほっそりとした少女の足。


大人になることは、

何かを失うこと。


季節に時が潜むように、

少女には神話が潜む。

 お読み頂き、ありがとうございます。

 まだ少女の我が娘らを見ていると、いつまでもそのままで輝いていてほしいと思うのです。少年や少女は、いつも小さなかなしみを抱えているような気がします。そのかなしみが美しく滲み出て、純粋な可愛らしさと輝きをもたらしているように思います。そのかなしみのもとは、生まれ落ちたかなしみであり、それは誰もが逃れえないかなしみなのです。いつか強く生きて、そのかなしみを踏み越えたとき、大人になってしまうのでしょうか。だから、どうかそのときまでは、そのままでいて欲しいのです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ