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牢獄からの脱出

更新遅くなりましたm(_ _)m

僕にしては珍しく朝早く起きた。床で寝てたからかもしれないけど…。起きてから暫くごろごろしてたんだけど、ある会話を聞いてしまったんだ。


「例の魔獣使いの刑は何なんだ?」


「どうやら闘技場で戦わされるらしいぞ。」


「いや、俺はドラゴンと戦うって聞いたぞ?」


などなど。正直聞きたくなかった。刑は明日。今日脱獄しなければならない。どうやって?


持ち物無しで、鉄格子は電気流れてて…。


無理、そう思ってしまった。同時に負の感情が一気に心を支配した。


(僕が何をした?)

(なんで、刑を受けないといけない?)

(なんで牢屋にいれられないといけない?)


頭を抱え、床に突っ伏する。どれくらいの時間がたっただろうか、ふと思いついた事があった。


(魔獣使いはどこまで有効なのか?)

ということだ。有効範囲内に魔獣がいたらなんとかなるかもしれない。震える指でステータスの魔獣使いの欄をタップする。



『魔獣使い』

魔獣を従わせ、共に戦うことができる。従わせた魔獣は自らの世界の中にいれることができる。一匹の魔獣と契約ができ、契約した魔獣は大幅に能力が強化される。有効範囲は人によって違うが、件の魔王は200meter程であったと考えられる。


魔王で200meterか…うん、おわた\(^o^)/


絶望に暮れてると物音がした。反射的にその方向を向く。そこにはねずみがいた。真っ赤な瞳の。


真っ赤な瞳というのは魔獣であることを示す。ステータス様に教えてもらったのだ。緊張で体が震える。ねずみとはいえ、魔獣だ。level1の僕よりは強いはず。


ただ、僕のjobは『魔獣使い』。契約により、魔獣を従える者。しかも、契約する事により経験値も得ることができる。(ステータス様情報)


必死になって言葉を紡ぐ。


『魔獣よ、我と契約せよ。我が名はリン、魔獣を統べし者。名前を与え、そなたを従える事を望む。そなたの名前は…「レラ」』


僕の手の甲に蒼い魔法陣が表れ、眩く輝く。不思議と見ていて落ち着くその魔法陣の文字を、僕の体から吸い取られた血液がなぞっていく。そして、僕の血液が手の甲で輝く魔法陣からレラに流れ込む。


レラが拒否したら失敗。僕は襲われるだろう。


レラが血を受け入れたら成功。レラと契約を結んだことになる。


そして…レラは血が体の中に入るのを拒まずに、こちらをその赤い瞳で見つめてきた。


「よしっ!レラよろしく!」


「ちゅー」


……僕はレラとのコミュニケーションに成功した。言葉分かってるのかな…?


とりあえず、レラにある頼み事をしてみる。


「レラ、あの本を取ってきてくれないかい?」


あの本とは、看守さんが忘れていった『中級魔術の徹底解説』なるものだ。あ、看守さんは今はいない。流石に看守さんいる前で契約なんか出来ないし…。


「あ、レラありがとう。」


「ちちっ」




(リンは契約の緊張で忘れていた。本は鉄格子を挟んだ向こう側にあることを。そして、鉄格子には高圧電流が流れていることを。レラの体は一般のねずみよりはるかに大きく、子猫程度ある。その体で鉄格子に触れずに通り抜けることはできない。

つまり、レラは人が気絶する程度の高圧電流が体に流れても何も問題ない程度の強さなのだ。)




僕はページをぱらぱらめくる。

『風属性中級魔法』

『炎魔法』

『氷魔法』

 などなど… 


『土属性魔法中級』とか良いんじゃないかな?なんとかして魔法で牢屋の壁を壊したいんだよね。亀裂入ってるし、壊せると思うんだけど…


僕はレラにも一緒に魔法を使ってもらうことにして、詠唱を開始する。


「我らの道を塞ぐ岩よ、消え去れ。」

「岩を破壊し、石を砕き、土を固める。我らは道ならざる所に道を造りし者。」

「土属性中級魔法第29『ロック•ブレイク』」


唱え終わった瞬間、牢屋の壁の亀裂が大きくなる。そして、音も無く、一気に崩壊した。同時に砂煙が立ち込める。


「え!?」

なんでレベル1の僕の魔法で堅牢な筈の牢屋の壁が壊れるの!?確かに壊したいと思ってたけど…


(※レラのせいです)




気を取り直し、この場所から脱出を目指す。レラが案内してくれるそうなので、僕は見失わないようにしてついて行くだけで良いんだ。因みにレラとはある程度のコミュニケーションを取れるよ!凄いでしょ?



まず、壁の先にあったのは廊下。そして沢山の牢屋。看守は居ない。だって囚人がいないから。


暫く廊下を真っ直ぐに進むと、プラスチックに似た物質で出来た標識が見えた。プラスチック…では無いと思う。…動いてるし。


【最終監獄】


だそうです。僕何もしてないのに…


とりあえずレラについて行く。はぐれたら最後、僕は捕まっちゃうだろう。幸い、レラは少し先に行っては、そこで待っててくれてるので、はぐれそうにはないけども。


近くにあった階段を上り、また同じような廊下にでる。違うのは、離れた所に囚人が居る事。つまり、看守も居るわけで…、足音を立てないように壁に張り付いてそろそろと移動する。レラは魔法みたいなのを使って隠れて移動してるけど、僕は多分使えないだろう。レラも他人にその魔法をかける事は難しいって言ってた。



そろそろと進み、10分と少し。ようやく階段についた。幸い、看守がいる方向では無かったので、バレる事は無かった。


そして次の階。1階なのだろう、ひさしぶりに見る、日の光が降り注いでいる。階段から抜けた先は、神殿だった。神々しく照らされている女神の像と…沢山の神父や礼拝者。


多分、隠し扉か何かだったのだろう。ボタンを押したり、狭い隙間を潜り抜けたり…。


「まぁ、でも助かったよ。ありがとう、レラ」


「ちゅ」


人々が急に現れて、ねずみとはいえ、魔獣を連れてる僕に注目しないわけが無い。そうして僕等はこそこそと神殿から抜け出したのだ。















魔法はスキル無くても使えるけれど、スキルが有った方が威力が増し、詠唱も少なくなる、といった設定です。

暫く使い、一定の経験を積むとスキルを得ることができます。

スキルレベルが上がることで威力など、様々な能力が向上します

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