ミステリー
「輝夫ー! 友だちが迎えに来たわよー。早く用意して学校に行きなさい」
「分かってるよ母さん! もう準備は万端さ。後は階段を下りるだけさ!」
ドタドタ――階段を賑やかな音を立てつつ降りる輝夫。
そして降りる途中、突然振り向き、
「読者の諸君、突然だが俺の名前は輝夫! あだ名はテリー、よろしく!」
ドタドタ、ドシンバタン――
「いっけねー、足を滑らせちまった。イテテテテッ」
テリーはドヤ顔をし、
「読者の諸君! ほんとはこれから事件が起こるはずだったんだ! きっと作者は僕を主人公に事件を解決させるつもりだったはずさ! ところがどっこい、そうはさせねぇ。テリーがミスして階段を落ちちまった。……これがほんとのミステリー! ついでにオチまでついちまったぜ」
お後がよろしいようで……。