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アイリスと、新樹光と、こころの宙にかかる虹星

作者: 逢乃 雫
掲載日:2026/05/17

緑さす丘へ


向かう小径はまるで



夏へと向かう


階段を駆け上がるように



伸びゆく葉の


合間からやわらかに



ふりそそぐ


新樹光を浴びながら



菖蒲月(あやめづき)


街角を流れゆく



風の五線譜に


耳を澄ませるとき



君影草の


花はそっとさゆらいで



瞳に映る


アイリスは鮮やかに



虹から溢れた


光のかけらのように




空にかかる


星座は虹を描くように



春とともに


暮れゆく丘にさしこむ



夕陽が街を


シルエットに変えるとき



東の(そら)


彼方にかかる虹星



七つの光は


かんむり座の星々




心にかかる


虹は旋律を描くように



新たな季節へ


歩み出す心の五線譜に



星座が描く


光のオクターブ



宙から照らす


星は新樹光のように



見つめる瞳に


アルフェッカは煌めいて




伸びゆく葉と葉が


重なり合い


織りなす結び葉のように



星と星が


織りなす星座の


結び葉がつくる新樹光



言の葉もきっと


葉と葉をつないで


紡ぎゆく


こころという光が、そこに



樹雨(きさめ)の中で


立ち止まる時も


あるかも知れないけれど



重ね合う葉と葉から


やがてきっと


さしこむ木洩れ日が


やさしく照らし出す道を



そして


こころとこころの


結び葉となり


虹をかけるような


言の葉が、あると信じて




夏へ向かう


音階を上りゆくように



菖蒲月の


街角を流れゆく



風が奏でる


音色に耳を澄ませるとき



宙の虹星が


こころの樹を


やさしく照らしながら



夢へと続く


道に咲く花のように



アイリスは


虹をこころに、描きゆくように


















5月頃から夜空に上る、かんむり座は、七つの星が半円を描き、「虹星」とも呼ばれます。最も明るい星・アルフェッカは、ゲンマ(ラテン語で「宝石」)とも呼ばれます。


新樹光しんじゅこうは、新緑の樹や葉が瑞々しく輝く様子、結び葉は、伸びゆく葉と葉が手を結ぶように重なる様子です。樹雨きさめは、霧などの後に樹々の葉から滴がふることです。


アイリスは、ギリシャ神話の虹の女神イリスに由来し、メッセージの伝達を司るとされ、花言葉は「吉報」「希望」です。君影草きみかげそうは、スズランのことで、花言葉は「幸せの再訪」です。菖蒲月あやめづきは5月です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
風の五線譜に耳を済ませ·····素敵な表現。その他ももちろん美しいのですが。ここが一番好きです。風の通る風景を見させていただき、ありがとうございます。 読ませていただきありがとうございます。
虹星と新樹光の無垢な輝きが逢乃雫さんのあたたかな言葉と共に読んでいて本当に心洗われたように 感じられました。 新緑の葉を揺らす風と光が菖蒲月や君影草を優しく撫ぜてゆくようにアイリスの星の輝きに散りばめ…
「新樹光」「結び葉」といった言葉が素敵ですね。 その言葉を新緑の樹林の中に見いだすだけでなく、夜空の星にも、こころと言葉の中にも見つけられるのが素敵です。
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