アイリスと、新樹光と、こころの宙にかかる虹星
緑さす丘へ
向かう小径はまるで
夏へと向かう
階段を駆け上がるように
伸びゆく葉の
合間からやわらかに
ふりそそぐ
新樹光を浴びながら
菖蒲月の
街角を流れゆく
風の五線譜に
耳を澄ませるとき
君影草の
花はそっとさゆらいで
瞳に映る
アイリスは鮮やかに
虹から溢れた
光のかけらのように
空にかかる
星座は虹を描くように
春とともに
暮れゆく丘にさしこむ
夕陽が街を
シルエットに変えるとき
東の宙の
彼方にかかる虹星
七つの光は
かんむり座の星々
心にかかる
虹は旋律を描くように
新たな季節へ
歩み出す心の五線譜に
星座が描く
光のオクターブ
宙から照らす
星は新樹光のように
見つめる瞳に
アルフェッカは煌めいて
伸びゆく葉と葉が
重なり合い
織りなす結び葉のように
星と星が
織りなす星座の
結び葉がつくる新樹光
言の葉もきっと
葉と葉をつないで
紡ぎゆく
こころという光が、そこに
樹雨の中で
立ち止まる時も
あるかも知れないけれど
重ね合う葉と葉から
やがてきっと
さしこむ木洩れ日が
やさしく照らし出す道を
そして
こころとこころの
結び葉となり
虹をかけるような
言の葉が、あると信じて
夏へ向かう
音階を上りゆくように
菖蒲月の
街角を流れゆく
風が奏でる
音色に耳を澄ませるとき
宙の虹星が
こころの樹を
やさしく照らしながら
夢へと続く
道に咲く花のように
アイリスは
虹をこころに、描きゆくように
5月頃から夜空に上る、かんむり座は、七つの星が半円を描き、「虹星」とも呼ばれます。最も明るい星・アルフェッカは、ゲンマ(ラテン語で「宝石」)とも呼ばれます。
新樹光は、新緑の樹や葉が瑞々しく輝く様子、結び葉は、伸びゆく葉と葉が手を結ぶように重なる様子です。樹雨は、霧などの後に樹々の葉から滴がふることです。
アイリスは、ギリシャ神話の虹の女神イリスに由来し、メッセージの伝達を司るとされ、花言葉は「吉報」「希望」です。君影草は、スズランのことで、花言葉は「幸せの再訪」です。菖蒲月は5月です。
季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。




