ep.00【蒼の悪夢】
はじめまして。過去の作品を読んでくださっていた方はお久しぶりです。テルサキです。
久しぶりに小説書きます。
思いっきりアホな話連載していきます。
面白かったら感想とかくれると、嬉しくてテンション上げて更に頑張ります。
そんな感じです。ではでは、楽しんでもらえると幸い。
読んでやって下さいませ♪
「未知の何かに追いかけられる」といった内容は、
悪夢の中でもかなりメジャーな枠にはいるのではないだろうか。
追いかけてくる存在は、人によりけりで。例えばそれは、巨大な虫だったり、斧を振りかざした大男だったりするのだろう。
僕は多分今、そんな類の悪夢の中にいる。
輝くほどにまっ白な砂地の上で、空は病的なまでに青く澄んでいる。
眼球の裏側まで染まってしまいそうな程の真青だ。
僕は悪い予感にハラハラし、空を見上げる。
千本の足をウゴウゴ唸らせながら突進してくる奇形の虫も、虚ろな目で血肉を狩りにくる精神異常者も、
僕を追いかけてくるソレと比べれば随分可愛らしいような気さえする。
幼い頃から何度も繰り返し見る悪夢。だからこそこの先の展開は大体わかってる。
なのに今この瞬間も、回避する術を模索することすらできず、恐怖に震えることしかできない。
ドクンドクンと脈が早まる。
不意に、僕の視線の先に真っ白な点がプツリと浮かび上がった。
それは徐々に大きさを増してきて・・・
――・・・飛行機だ。
僕はその姿を確認する。よくあるタイプのジャンボジェットだ。
青い空に映える真っ白な機体は、優雅に空を舞い、そして爆音と共に黒い煙を吐き出す。
エンジンが爆発したのだろうか。当然、飛行機は落下する。僕を目がけて。
真紅の炎に包まれた巨体が、強烈な熱風と耳の割れるような轟音を引き連れて、猛烈な勢いで今まさに目の前に・・・・
僕は悲鳴を上げた。
喉が激しくうねり、自分の物とは到底思えない声が響く。
――逃げなくちゃ
まるで魔法でも解けたみたいに、僕は気づく。
――ここで逃げなくちゃ、死んでしまう!
飛行機の破片が右拳を掠めたのを合図に、僕は走りだす。
あとはもう、全力疾走。
頼む、頼む!今日こそは逃げ切らせてくれ・・・!