@48
喜美子によって無事に手紙が戻って来た。再び発射装置で紙飛行機を飛ばすと、今度は盗まれてしまわないようにと三人は飛行機の近くを歩いた。
「向かうのは相変わらず北か…」
「町を出て先には岩の柱が無秩序に並ぶスチームロックスという土地がある。岩の柱からは常に視界を遮るような霧が噴き出ていて、迷子になりやすいと有名だそうだ」
「霧ということは紙飛行機は飛ばせませんね。どうします?」
「飛行機は回収して、スチームロックスは外回りで行く。ちょうど反対側に着いたところでまた飛ばすつもりだ」
「今度は何もないといいですね」
優と喜美子が話すその隣で、信参は紙飛行機を見ていた。
考えているのは、この紙飛行機を盗んで売ろうとした子どもの事だ。魔法で飛んでいるだけの紙では一銭になるとも思えない。それでも売ろうとしたのは、よほど余裕のない生活をしているからだろうと結論を出し、元の世界もアノレカディアも貧乏人がいるのは同じだと思った。
町を抜けると正面に白いドームのような物が見える。これこそが霧で充ちた土地、スチームロックスだ。
「風が吹いてるのに霧はあの場所にだけ留まっている…これも魔法の力なのかねぇ。さあ行こうか」
優達は休憩を取ることなく、スチームロックスへ進んだ。




