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紙飛行機を握り締めた子どもを追いかける信参達。それを失ってしまっては姫守利子への手掛かりがなくなってしまうと必死だ。
「待って!それは大切な物なんだ!」
「止まらないとこちらも容赦しないぞ!」
説得して止めようとする信参に脅しを掛ける優、そして悪党相手に会話は成立しないと黙って追う喜美子と、それぞれの性格が表れていた。
身体能力的に見れば、信参達は子どもに追いつける。しかし場所は来たばかりの入り組んだ町。さらに子どもは逃走慣れしているのか、使える物を全て利用して追手を遠ざけた。
「見失った!」
角を曲がったところで子どもの姿が消えた。彼らが立っているのは人通りのある商店街で、ここから背の低い子どもを見つけるのは容易なことではなかった。
「アクシデントは想定していたがまさか人為的なものだとは!」
「おい!何か見つける魔法道具はないのか!」
「あったらとっくに出している!」
すると喜美子はある建物に向かって走り出した。
「どこへ行くんだ!?」
喜美子は扉を蹴り開けて建物の中へ突入する。そこは客が持って来た物品に店主が値段を付けて買い取る買取店だった。
カウンターに向かっていた子どもは酷く怯えていた。旅行者だとナメていた相手がここを嗅ぎ付けるとは思ってもいなかったのだろう。
「ぐわぁっ!?」
喜美子は自分より小柄な子ども相手だろうと容赦なく、ささくれの酷い床に叩き伏せた。
「まず、これは依頼主から預かった大切な物だ。返してもらうぞ」
「くそぉ…奪われるような事してるのが悪いんだろ!返せよ!」
「なら今度は、奪われないようにもっと頑張って逃げるんだな…なんだよ。見世物じゃないぞ」
客から注目を浴びていた喜美子はそう一言。すると店主を含めた全員が知らん顔をした。
「次にお前をどうするかだが…盗んだ物が店に並ぶような町だ。警察系の組織はまともに機能してないだろうな…いいさ、見逃してやる」
立ち上がった喜美子は最後に一蹴り入れると、店から出て手紙を取り戻した事を伝えた。




