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発射装置から飛ばされた紙飛行機は、自らに文章を打ち込んだ人物の元へと飛んでいく。
その後方には飛行機を追って歩く優達の姿があった。
「この先にはルカハという町があるな。以前行ったミゾほど大きくなく、治安も悪いそうだ」
優はスマホで地図アプリを開き、情報を集めていた。
「部長、万が一紙飛行機が落ちたりしたらどうするんですか?」
「そうなったらまた発射装置で飛ばせばいいだけだ…雨にやられたりしないようにコーティングする必要がありそうだな」
ブレずに真っ直ぐ進み続ける飛行機はルカハの町に入っていった。
「トーヨコみたいに薄気味悪い町だな…」
「古土、まさかお前…」
「誤解するなよ!あんなところ、金貰ってもいきたくない!」
町並みこそミゾに近い。しかし活気は感じられず、すぐにでも通り過ぎたい場所だった。
「な、なぁ。紙飛行機は真っ直ぐに向かってるんだろ?だったら回収して、町を避けていくべきじゃないか」
「私は姫守君は事件に巻き込まれたと考えている。もしそうだとしたらこの町にいる可能性もあるだろ?」
紙飛行機は風に頼らずとも進行方向を変えて障害物を避ける。
このまま何後もなくルカハを通り抜けられる…という事にはならなかった。
「心配するな礼木。町のチンピラ程度なら私でも倒せるさ」
そう言って喜美子は素早いパンチを披露した。彼女が喧嘩で強い事は知っているが、それでも心配な事は心配だ。
「あっ!おい!」
優が怒鳴り、二人は紙飛行機の方に視線を戻す。
紙飛行機は小さな子どもが握っていた。そしてその子どもは、逃げるように走って角を曲がった。
「追うぞ!アレを奪われたら姫守君を見つけられなくなる!」
とうとうアクシデントが起こってしまった。信参達は紙飛行機を取り戻すため、全力で走り出した。




