@45
姫守利子捜索初日。信参、優、喜美子は桜木ポートの渡界門からアーモニカへ渡った。
アーモニカのポートを出ると、優は姫守の手紙を取り出した。そうして何をするのかと思えば、突然紙飛行機を折り始めた。
「何やってんだよ!それって手掛かりだろ!」
「私がなんの考えもナシに折り紙をすると思うかい?」
飛行機を完成させると、次に魔法陣の書かれた紙を数枚取り出して工作を始めた。それも人通りのある道のど真ん中でだ。
「おいおい場所考えろよ…つーか昨日の晩にでも作っておけば…」
「作った物を持ってくるだけじゃ君達のためにならないだろ。私が何をしてるのかよく観察して技術を盗むんだ」
そんな事を言われても信参は魔法道具に興味がない。喜美子は作業風景を真剣に見つめていたが、信参は彼女達と距離を置いて他人のフリをした。
魔法陣の紙を工作して完成させたのは紙飛行機の発射装置だった。優は特製の輪ゴムに魔力を流し込むと、発射装置に飛行機をセットした。
「この紙飛行機には文章を書いた者の意思が込められている。そしてこの発射装置は意思を込めた者にまで飛行機を飛ばす発射装置だ」
「つまりこれからこの紙飛行機は姫守のところまで飛んでいくってことか…」
「礼木、思い込みは隙を生むぞ。もしも手紙を打ったのが姫守以外の誰かだとしたら、その人物の元へ飛んでいく。そうなったらまず間違いなく、危ない事になるぞ」
優は注意すると、直上に発射装置を構えて飛行機を発射。
現在、アーモニカポート周辺には北からの風が吹いている。しかし紙飛行機は向かい風に一切揺らされる事なく、北の方角へ鋭い頭を向けて飛び始めた。
「よほどのアクシデントがない限り飛行機は今の速度のまま飛び続ける。休まずに進み続けるぞ」
優達は紙飛行機を追って移動を開始した。




