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龍ゐ寅ゑ!いけいけ奇才シンサくんD@YNA  作者: 仲居雅人


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40/43

@40

 スペーススネークと名付けられた地球外生命体が入った金属箱はレベル3の区画へと運ばれた。蛇の捕獲という形でドクターニューワからの依頼は達成となり、用済みとなった優達は追い払われるように帰り支度を急かされた。


「全く、誰のおかげで捕まえられたと思ってんだ…」

「まあまあ。生きて帰れるだけありがたいじゃないか」


 恩人に対してこの仕打ち。憤る信参に比べて、こういう事に慣れている優は平然としていた。




 優達はあくまで仕事をこなしただけ。成した事は偉大だが、それに対しての祝会や表彰などはない。その代わりなのか、ドクターニューワは二人と話がしたいということで最後に所長室へ招いた。


「この度はご苦労だった」

「私達の魔法道具が役に立って良かったです。ところで、何故私に依頼を?似たような事を生業とする人はのアメリカ国内にもいるはず。それと比べても誇れるのは無償であることぐらい。それにタダほど信頼できない物もないはずです」

「単純な話だ。君が我々と同じマッドサイエンティストだからだ」

「同じ質の人間だから信用に値したと?…言っておきますが、私はあなた達とは違う。魔法道具で誰かを傷付けようとは思わない」

(いや嘘つけ!俺めっちゃ傷付いてるよ!)


 叫びたかった信参であったが、真面目な雰囲気なのでツッコミは心の中に留めた


「スネークを生きて捕えることには成功しましたが、私としては殺処分するべきだと思います」

「心配は不要だ。君の助手のおかげでスネークは大人しくしているよ」

「…行こうか。せっかく外国に来たんだ。観光でもしながら帰ろう」

「あっ!待てよ!」


 部長である優はお辞儀もせずに部屋から出ていく。なので今回の件に乗り気でなかった信参は代わりにという形で深く頭を下げてから、優の後ろをついて行った。


 それから二人はスペースセンターの地下駐車場まで連行されると、ここへ来た時と同じように布で目を覆って軍用車へ乗せられた。


「…いつも真面目に部活をやってない俺が言うのも説得力ないだろうけどさ、さっきのはダメだろ」

「さっきの?」

「所長室出た時だよ。何が気に入らなかったのか知らないけど、挨拶も無しで出てくのは失礼だろ」

「確かに説得力が微塵もない。君こそ私への態度を改めてみたらどうだ」

「だったらその前に敬いたくなるような人間であってくれよ。無理だろうけどさ」


 施設から解放されるせいか、溜まっていたストレスまで解放し始める二人。ヒートアップしていく口喧嘩だがこれを車の中で、それも目隠しした状態で繰り広げているというのは中々に滑稽な姿である。


「結果を想像するのは研究者には欠かせない事だ。しかしなんの根拠もなしに否定するのは想像とは言わない。礼木のはただの決め付けだ。少なくとも君が想像してるより私は立派だ。当然、ただ学業を真っ当しているだけの君よりもね」

「誰のおかげで学業に専念しなきゃいけなくなったんだっけな?どこの部長のせいで、花天高校に入学する羽目になったんだろうな?!」

「都合が悪くなる度にその話題。君のパターンだな。それ以上に私を責める言葉を知らないんだ。ボキャブラリー不足、いわゆる語学力不足…馬鹿というやつだな」

「言ってろインテリ。友達いないくせに」


 子供二人の口喧嘩は車を降りて、基地の外に出るまで続くのだった。











 そして信参と優が去った後、スペースセンターにて…


「来客達はここの存在を知ってしまった。であれば出さずに殺してしまえば良かったのでは?」

「あいつらは日本人だ。万が一我々の手で始末したのが知られたらアノレカディアの国から報復される恐れもある…彼女達を追跡しろ。そして事故を装って消せ。その際に犠牲者が出ても構わん。秘密を守るための必要経費だと思っておけ」

「了解しました。これより指示を──」

「大変です所長!スペーススネークが鉄の容器を破り再び脱獄しました!」

「なんだと!?職員全員をレベル1に集めろ!」


 緊急事態である。スペーススネークは信参が生み出した硬い金属の中に閉じ込められていたが、それすらも破って出てしまったようだ。


「スペーススネークはレベル2にて職員を攻撃中!隊員が攻撃しましたが、ライフルの弾を避けてしまいます!」

「行動パターンが変わった…!お前達は先にレベル1に向かえ!」


 ドクターニューワは所長室から余計な人間を追い出すと、隠し金庫を開けて中に生えていたスイッチを押した。それはスペースセンター全体の空気をゼロにする真空化装置の起動スイッチだった。


「私達の手に負えなくなった存在か…面白い。蛇から龍にでもなるか」


 今度は隠し扉を開けた。そこから始まる長い通路はこの地球上にある隠れ家へと続いているのだが、その場所を知るのはニューワとその他軍関係者だけだ。


「また会おうスペーススネーク。いやビジタードラゴン、次に会う時までにはいい名前を考えておく」




 スペースセンターの職員は行方不明となったドクターニューワを除き全員殉職。

 自分達の務める職場の地下に研究所があった。その事を知った軍人は驚く暇も与えられず、センターの解体作業命令が下された。


 皮肉にも宇宙からの来訪者によってエリア51の真実は崩壊した。そこで何が行われていたのか、そもそも一般人は基地が実在していた事を知る由もないだろう。




 そしてスペーススネーク。ドクターニューワがビジタードラゴンと改めて名付けした地球外生命体は、人知れずアメリカの野に放たれた。

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