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勇者を守った男は成り下がり少女を守る ~護衛と踊り子の兄妹、歌って踊って傷ついた世界を癒せ!~  作者: ネコ軍団
第2章 空中劇場への招待

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第79話 勝者が決まる

 最終日の営業が終わった。

 翌日の昼過ぎにゴールドシスターズ、ブルーセイレーン、ダークイーグルスの三チームは広場に集められた。初日と同じように組まれた木製の舞台の中央にケビンが立っている。


「では審査課結果を発表します……」


 ケビンが口を開く広場に居る皆に緊張が走った。シャロとリーシャとミリアの三人は手を前に組んで祈るようにしてケビンの結果発表を待つのだった。


「勝者はブルーセイレーンです!」


 ケビンの口からブルーセイレーンの名前が呼ばれた。シャロとリーシャとミリアの表情が太陽に照らされたように一気に明るくなった。ロッソとグアルディアはホッと安堵する。


「わっ!? こら! シャロ……」

「おにいちゃん! やったよ! あたし…… あたしたち! マーチピン劇場飛空艇で演奏できるの!」


 シャロがロッソに抱き着いて喜ぶ。飛びついてきたシャロの目には涙が浮かんでいた。ロッソは喜ぶ妹を見てほほ笑み彼女の頭を優しく撫でるのだった。


「やったです!」

「やりましたわ!」

「えっ!? ちょっちょっと!? 二人もかよ!」


 シャロに続きリーシャとミリアもロッソに抱き着く。ロッソは三人に抱き着かれ、転びそうになりながらなんとか耐えるのだった。


「よかった…… 三人ともすごい頑張ったしな。俺も…… 少しは役に立てたかな」

 

 三人に抱き着かれ踏ん張りながら、静かに笑ってつぶやくロッソだった。


「うん!?」


 喜びを爆発させるブルーセイレーンの前に、ブルーシスターズの三姉妹のノン、ミン、モンがやってきた。長女のノンはブルーセイレーンに頭を下げた後、顔を上げ笑顔をブルーセイレーンに向け口をひらく。


「おめでとう。シャロさん、リーシャさん、ミリアさん…… あたしたちもこれからもっと頑張っていつかブルーセイレーンを超えてみせます」

「うん! いつかまた一緒に演奏しましょう! 負けないどね」

「はい! ぜひ! また一緒に!」


 三姉妹はシャロたちに礼を言うと広場から去っていた。これから牢屋にソンを迎えに行くのだろう。ソンはブルーセイレーンの嘆願により、ポンに脅されていた事実を考慮され、罪を大幅に減刑されすぐに釈放されることになった。

 ポンはロッソたちに対する罪に加えて、世界が注目する劇場飛空艇の関係者に対しての迷惑行為も追加され、オーラオーラ公国から追放されることが決まっている。

 審査に受かったブルーセイレーンは、明日ここから劇場飛空艇へと向かうことになった。彼らは酒場チキンバースに戻ってミームさんに挨拶をする。


「ありがとうございました。ミームさん!おかげで勝てました」

「私は何もしてないわ。シャロちゃんたちが頑張ったおかげよ。それにお礼を言うのは私の方よ」

「えっ!?」

「だってシャロちゃんたちが来てからこのお店は前のように賑わうようになったからね。本当にありがとう……」


 ミームさんは愛おしそうに店を見渡しながらシャロに礼を言うのだった。礼を言われたシャロは、恥ずかしそうに笑っていた。ミームは笑顔のシャロを見てほほ笑み少し寂しそうにするのだった。


「はぁ…… シャロちゃんたちが居なくなったら店がまた静かになっちゃうわね……」

「へへ! いつでもあたし達ブルーセイレーンを呼んでください! それにミームさんの料理はおいしいから大丈夫ですよ」

「ありがとう。そうね…… またお願いするわ! その時は出演料(ギャラ)いっぱいだすからね!」

「はい! 毎度あり!」


 ミームは心配してるみたいだけど、シャロの言う通りこの店はもう大丈夫だろう。

 最終日のシャロたちは騒ぎで店の開店に間に合わなかったが、審査でミームさんの料理が町で評判になっていたおかげかシャロ達が居なくても酒場は盛り上がっていたのだ。

 翌日、宿を引き払ったロッソたちは広場へと向かった。夢の一つが叶う興奮から寝れなかったのだろう。シャロは歩きながら何度も目をこすって眠そうだ。

 広場にケビンが立っていた。ロッソたちが来ると笑顔で手を振り、近づいてきて数メートル手前で止まった。手を胸の前に水平にして、上品に頭を下げるとケビンさんが笑顔を話し出した。


「すいません。もうすぐ迎えの者がきますのでお待ちください」

「迎えの者? 広場にですか?」

「はい! あっ来ました!」

 

 日の光が遮られて急に暗くなり、何か大きな物がロッソたち頭上に現れた。


「えっ!? あれは…… 飛竜!?」


 顔をあげ見上げたロッソたちに、大きい翼を広げ上空を飛ぶ赤い飛竜の姿が見えた。飛竜は口に馬のようにくつわをつけて体には鉄の胸当てを装備していた。

 飛竜の首の根元には、馬の鞍のようなものが付けられ、長い槍に鎧を身に着けた騎士が座り飛竜を操っていた。旋回をしながらゆっくりと大きい飛竜がロッソたちの前に下りて来るのだった。

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