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勇者を守った男は成り下がり少女を守る ~護衛と踊り子の兄妹、歌って踊って傷ついた世界を癒せ!~  作者: ネコ軍団
第2章 空中劇場への招待

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第46話 将軍は恐妻家

 ふうと小さく息を吐いて、女性の魔族がロッソたちの方を向いた。


「あんたがロッソに…… そっちがミリアだね。あの人の言った通りの赤い髪をして真面目そうなだね。そっちも聞いていた通り賢そうな女の子だ。よろしくね」


 女性の魔族はロッソとミリアさんに握手を求めてきた。二人は魔族が自分たちのことを知ったうえで、握手を求めてきたことに、驚き固まっていると彼女は勝手に手を取って握手をしていった。


「なんで? 俺とミリアさんことを…… お前も元魔王軍か」

「うーん…… 確かにずっと昔に魔王軍にはいたけどね。結婚した時にやめたよ。それからはずっとここに住んでる。あたしはメディナ! グアルディアの女房で今はこの町の村長だよ!」

「えっ!? グアルディアの女房って…… あいつ妻帯者だったのかよ……」

「はははっ! うちの亭主は間抜けなツラしてるからモテそうに見えないからねぇ」


 ロッソとミリアが顔を見合わせて驚いていると、豪快に笑いながらメディナはシャロとリーシャの前に立つ。


「ロッソ! こっちのかわいい小さな二人の子は誰だい?」

「えっと俺の妹と仲間です」

「あたしはシャロ! おにいちゃんの妹だよ」

「リーシャです! 旦那しゃんの仲間です」

「おぉ! 小さいのにえらいねぇ。ちゃんと挨拶できるんだ」

「「わっ!?」」


 メディナはロッソに二人の名前を尋ねた。ロッソがメディナに答えると二人は、彼女に頭を下げて挨拶をする。嬉しそうな顔してメディナはしゃがんでリーシャとシャロの頭を撫でるのだった。

 大きい彼女はしゃがんでも、シャロの頭に手が届く。力が強いようで撫でられて二人の顔は少し痛そうに顔をしかめるのだった。


「はいです。なんでさっきの人は旦那しゃんとミリアに怒ってたです?」

「そうよ。どうしてもう戦争は終わったのにまだおにいちゃん達を……」

「うん!? あぁ、ごめんね。魔族の負けを認められない奴らがいるのさ。気にしないでいいよ。ここは魔族もモンスターも人間も誰でも受け入れる村だから」


 笑顔で答えるメディナだった。同じ魔族でもグアルディアは骸骨みたいな見た目で、ほとんど表情がなかったのに、この人はほぼ人間みたいな顔して表情が多彩だった。魔族は尖った耳と角が特徴であり、顔はグアルディアのように骸骨のような者もいれば、メディナのような人間に近い者もいるのだ。


「でっ!? あんたら一体何の用だい? グアルディアがあんた達を探しに行ったんだけどね…… ここに来るなら待ってたらよかったね。まったくあの人も勝手だよ。ようやく魔王様へのお勤めが終わったってのにね」

「あっあの…… それで……」


 ロッソは少し言いにくそうに、聖都アクアリンドでの出来事をメディナへと伝えた。

 聖女アルティミシア様と協力し、ロッソを呼び出したグアルディアは、アンナの弟ジェリスによって操られたミリアから不意に魔法をくらい灰になってしまったと説明した。ミリアは申し訳なさそうにメディナに頭を下げて謝るのだった。

 しかし、話を進めていくとメディナの顔がどんどんと不機嫌になっていった。ロッソはやはりメディナが二人に対して怒りを覚えたのだと警戒をした。すると突然メディナが口を開く。


「まったく…… それで…… あんたらがその灰を持ってに会いに来たってわけかい! 見せな!」


 メディナはカッと目を見開き、眉間にしわを寄せてロッソに顔を近づけてすごむ。凄まれたのは歴戦の勇士であるロッソだったがメディナの顔に恐怖を覚える。柔和だった彼女は目つきがきつくなり、今にもロッソに食いつきそうなくらい鋭い眼光を向けていた。メディナの迫力に負けたロッソは、言われた通りに灰の入った瓶を見せる。


「なっっっっっっっっっっっっさけない! 男だよ。まったく! 何が勇者キースの真実を伝えてくるだ! かっこつけて出ていったくせに! ロッソたちに手間かけさせて!」

「えっ!? ちょっと!? ダメだ! やめろ!」


 激怒したメディナはロッソが持っていた、グアルディアの灰がはいった瓶をひったくろうとした。ロッソはとっさに瓶を抱きかかえ、メディナに背を向ける。彼女はロッソの腕をつかんで瓶を奪いとろうとしていた。


「うわ! なにをする。やめろ!!! グアルディアが治らなくなるぞ。お前はグアルディアの妻だろ……」

「こんな情けない亭主はいらないよ。今からその瓶を叩き割って捨ててやるからあたしに貸しな!」

「いやいや! それはさすがにグアルディアがかわいそうだ。やめろ!


 強引にロッソの腕を引っ張るメディナだった。ロッソも必死に抵抗するが力が強く負けそうになる。魔王城で命をかけて戦った相手を守るのにロッソは必死になるのだった。


「まったくグアルディアめ! 尻に敷かれて怖い嫁さんがいるなら事前に言っとけよ……」


 瓶を奪い取ろうするメディナの手を掴み、必死に抵抗しながらロッソはグアルディアに恨み事つぶやくのだった。


「こーーーら!!!!!!!!!!!!! 喧嘩はダメでーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!!!!!!」

「「わっ!?」」


 腰に手を当てて怒った顔したリーシャがメディナに叫ぶ。リーシャの大きな声に驚いてメディナはロッソの手を離した。


「はぁはぁ。ありがとうリーシャ……」


 ロッソは肩で息をしながらリーシャに感謝するのだった。


「グアルグアルしゃんのことは、アルティミシアしゃまと治してあげるって約束したからダメです! お医者に連れていくです」


 腰に手を当てて堂々とした、リーシャが大きな声でメディナを叱りつけた。


「ははは! そうかい。ならしょうがないね。リーシャに免じてうちの亭主を許してやろう」

「ありがとうです!」


 叱られたメディナは豪快に笑うと、しゃがんでリーシャの頭を力強く撫でていた。やはり力が強いのか、リーシャは顔をしかめていた。


「リーシャの声は大きくてすごいね」

「えへへへ、リーシャはお歌を歌うです。ちゃんといい子にしてたら聞かせてあげます」

「おぉ! そうかい。ありがとう。もう喧嘩はやめるから聞かせてね。きっとあたしらの娘も喜ぶ。さっ! あんた達ドルボンの家はこっちだよ。ついてきな」

「ありがとうです! 旦那しゃん! シャロ、ミリア! いくですよ」


 メディナが立ち上がると、リーシャは彼女と手をつないで前を指さし歩き出した。嬉しそうにシャロはメディナの後をついて行くのだった。ミリアとロッソは顔を見合せ首をかしげ、少し遅れて三人の後をついていくのだった。

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