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勇者を守った男は成り下がり少女を守る ~護衛と踊り子の兄妹、歌って踊って傷ついた世界を癒せ!~  作者: ネコ軍団
第1章 集う仲間たち

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第25話 秘策

 コルツォーネの襲撃により、本日の営業再開はないとロドリゴから通達された、ロッソとシャロとリーシャは自分たちの部屋へと戻った。部屋に入り天井からつるされている、ランプに火を灯しロッソは自分のベッドに座った。

シャロはベッドに座り寝ころんだリーシャの頭を撫でていた。不安そうな顔でリーシャはシャロの顔を見つめていた。


「シャロ…… 山賊さんと結婚しちゃうですか?」

「大丈夫よ。おにいちゃんがあんなのすぐにぶっ飛ばしてやるからね」

「はい! ぶっ飛ばすです」


 笑いながらシャロとリーシャが、しゃべる光景を見つめているロッソだった。妹は気楽にロッソがぶっ飛ばすと言っているが、姿を消すコルツォーネは難敵であった。やや呆れ気味にロッソはシャロに口を開く。


「シャロ…… お前なんで勝手にコルツォーネ討伐を引き受けたんだ?」

「いいじゃない。あんなやつおにいちゃんなら楽勝でしょ?」

「あのなぁ。姿が見えないやつをどうやって倒せと言うんだ? 魔法障壁も通用しないのに…… 勝手なことして! もしリーシャが危険な目にあったらどうするだ!?」

「はぁ!? なにリーシャ、リーシャって…… 狙われてるのあたしよ? もうわかったわよ! あたしがあいつと結婚すればいいんでしょ! そうすればリーシャとおにいちゃんは無事だもんね!」

「何だよ! そんなこと言ってないだろ!」


 シャロの言い争いについカッとなり立ち上がるロッソだった。立ち上がったロッソを睨むシャロの目は涙目だった。


「うん!?」


 起き上がったリーシャがベッドの上に立ってほほを膨らませる。


「喧嘩はダメでーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーす!!!!!!!!!!!!!!!!」

「きゃっ!?」

「うわぁ!」


 涙を目にためたリーシャが大きな声で叫ぶ。リーシャの声量はかなり大きくその声はどこまでも轟いていきそうなくらだった。ロッソとシャロを両耳を押させてうずくまった。リーシャは肩で息をしながらうずくまる二人を見た。


「はぁはぁ! 喧嘩はダメです。仲良くするです」 

「うん…… そうよね。ごめんね。おにいちゃん…… あたしが身勝手だったわ」

「いっいや…… 俺も悪かったよ。ごめんな」

「じゃあ、仲直りの握手するです 」

「「えー!?」」

「早くするです!!!」


 プクっと頬を膨らませたロッソとシャロに、握手を急かすリーシャだった。そっとシャロが気まずそうな顔で手を出した。ロッソも彼女に答え手をだし、二人は握手をしたのだった。


「よかったでーーーす!」


 握手した二人を見たリーシャは喜んで叫ぶ。


「だから声が大きいって! もう夜なんだから静かにしてよ!」

「そうよ。リーシャ! ダメよ」


 ロッソとシャロは両手で耳をふさいでリーシャに注意をする。

 

「なんだ!?」


 視線を下に向けたロッソに、部屋の明るさが歪んでいることに気づいた。光が照らされている床と影の部分が動いていたのだ。


「これは……  風か? いや…… 窓は閉めてあるよな…… どうしてだ?」


 天井を見るとつるされたランプが左右に揺れていた。ロッソと同じことに気付いたのか、シャロも揺れるランプをジッと見つめていた。二人は顔を見合せてハッと何かに気づいて目を大きく見開く。


「これは…… リーシャの声で…… そうか! わかった! あれを使えばいいのよ! おにいちゃん! 大丈夫よ。いいこと思いついたわ! あたしがコルツォーネの姿をさらしてやるわ!」

「えぇ!? そんなことできるのか? シャロ?」

「まぁやるのはあたしじゃないけどね!」

「えっ!?」


 シャロはリーシャを見つめ、ニヤリとほほ笑むのであった。


「どうしたんですか? すごい叫び声が聞こえましたけど?」

「あっロドリゴさん…… すいませんリーシャが……」

「旦那しゃんとシャロが喧嘩してたからメーってしたです」

「はは…… そうか偉いね。でも、もう夜だから少し静かにメーってするだよ。じゃあシャロさん、ロッソさんリーシャさんに怒られないように仲良くしてくださいね」

「はっはい……」

「ごめんなさーい」


 ロドリゴがリーシャの声に驚いて部屋にやってきた。

 リーシャはロドリゴにロッソたちが、喧嘩してから叱ったと満足げに語るのだった。ロドリゴは笑ってリーシャに答えるとシャロたちに注意し帰っていく。ロッソとシャロは気まずくうつむくのだった。

 翌日の朝早くシャロはリーシャを連れ、町の外れの広場で歌の練習をするのだった。シャロは師匠からもらった本に載っている歌を、リーシャに覚えてさせているようだ。ロッソはシャロたちの近くで、練習の様子を見つめていた。シャロは草を抜き、手に持ちリーシャは彼女が持つ草に聞かせるように歌を歌っていた。歌が終わるとシャロ頷き、二歩ほどリーシャからはなれた。リーシャはすぐにはなれたシャロが持つ草に向かって歌を歌う。ロッソは意味がわからず首をかしげるのだった。


「シャロ! リーシャは何してるの? 」

「へへ、これはね…… だよ!」


 ロッソの耳元へ近づき、シャロが小声で話す。


「なるほど…… 確かに…… これならコルツォーネの闇のランタンをどうにかできるかもな」

「でしょう! さぁリーシャ! もう一度よ」


 リーシャが口を大きく開け歌い出す、綺麗な歌声が広場に響く。シャロはリーシャの綺麗な声の歌を聞きながら自身満々にほほ笑むのだった。

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