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勇者を守った男は成り下がり少女を守る ~護衛と踊り子の兄妹、歌って踊って傷ついた世界を癒せ!~  作者: ネコ軍団
第3章 草原劇場にうごめく闇

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第110話 魔物討伐へ

 ロッソとリーシャとグアルディアの三人は、夜の町の通りを歩いて冒険者ギルドへと向かう。

 冒険者ギルドの中にはロッソたちと同じ討伐隊の人たちが何人か集合していた。その数は50人ほどで、集合時間までまだ少し時間があるが、そんなには増えないであろう。集まった冒険者に加え、領主の兵士が加わわるから、討伐隊は100名ほどになる。


「うげ!! 隠れ…… はぁ…… 見つかったか…… めんどくせえな」


 少し離れたところに冒険者ラミレスがおり目があってしまった。ロッソは顔をしかめすぐにラミレスから顔を背ける。


「うわぁ。こっちに来るなよ…… なんでわざわざこっちに来るかな。本当にめんどうくせえから来なくていいのに……」


 ラミレスはロッソを見つけるとゆっくりと近づいてくる。彼の後ろには橋で一緒にいた四人の仲間がいる。ラミレスはロッソの近くまで来ると口を開く。


「おい! そこのお前! 一体に何しに来たんだ?」

「何しにって…… お前と一緒だよ。俺はミーネさんに頼まれて魔物討伐隊に参加するんだよ」

「なっなんだと!? ミーネちゃんがお前に頼んだって? 俺は自分から参加してしたのに……」


 すごい悔しそうにロッソの顔をラミレスが睨む。ロッソはミーネから声をかけられたが、ラミレスは自分で応募し魔物討伐に参加した。以前からミーネを口説いていたラミレスにはそれが気に入らないようだ。


「おっ!?」


 何かに気付いたのかラミレスの視線が下へむく、視線はロッソの横にたつ、グアルディアとリーシャにむけられた。グアルディアとリーシャを見たラミレスがニヤリと笑った。


「おいおい! 見ろよ。こいつはガキをつれて参加してるぞ!」

「だからなんだよ?」

「魔物討伐はタフな仕事なんだ! ガキなんか連れてきて仕事をなめてんじゃねえぞ! なぁおい!」

「そうだ! 冒険者の仕事はガキには務まれねえんだよ! さっさと帰れ!」


 勝ち誇った顔で仲間たちに向かい、同意を求めてラミレスは笑っていた。グアルディアとリーシャは、笑うラミレスと冒険者たちを見て頬を膨らませている。


「おいおい。ガキにやられてヒィヒィ言ってたやつが偉そうにするんじゃねえよ」

「なっなんだと!?」


 にやにやと笑うロッソをラミレスが睨みつける。


「なんだ? またやられたいのか? おい! グアルディア! 少し相手してやれ!」

「はーい!」


 元気よく返事をしたグアルディアが、前に出てロッソとラミレスの間に立った。彼は笑いながら顔の横に左手を持って行ってラミレスに向けて見せる。ゆっくりとグアルディアの左手が紫色にかわっていく。同時にラミレスと仲間たちの顔が青ざめていく。


「ヒッ! クソが! 覚えてろよ。行くぞ!」


 グアルディアの左手をみてラミレスは、捨て台詞を吐いてロッソたちに背を向け仲間を引き連れ離れて行った。


「はははっ。グアルディアの手が相当怖いみたいだな。」


 すごすごと引き下がっていくラミレスたちを見てロッソは笑うのだった。直後に明るく元気な声が集合場所に響く。


「みんな来たみたいね。作戦を説明するよー!」


 明るく元気な声の主はミーネで、彼女は集まった冒険者たちに声をかけたのだ。

 魔物討伐の作戦内容をミーネが説明する。作戦は魔物討伐の一般的な方法で、町の外の平原に畑の作物や肉を集めて、魔物をおびき寄せて待ち伏せていた兵士と冒険者たちで討伐するというものだ。

 ミーネの話が終わり少しすると鐘がなった。手を叩いてミーネさんがみんなの注目を集める。


「時間よ。じゃあみんな移動するからね! 先頭はA3ランクのラミレスよ」


 ギルドの職員の先導で移動を開始する。移動する順番は冒険者のランク順になるようだ。冒険者ランクの高い者が前で低い者は後ろという訳だ。ロッソは最低のランクなので一番最後ということになる。


「うん!?」


 最後に冒険者ギルドを出ていくロッソたち三人の後ろを、少し離れてミーネがついてくる。


「ミーネさんも俺たちと一緒に行くのか?」

「はい! いけませんか?」

「いや…… ただ、まさか受付が一緒に行くなんて意外だなと……」

「ひどーい」


 ミーネは腰に手を当ててプクッと頬を膨らませた。その姿はリーシャのようでかわいい。


「最近は受付ばっかりしてるけど、これでもわたしは冒険者なんですよ。しかも結構ベテランのなんですから!」

「えっ!? そうなの?」

「そうですよ。だから今日はみんなの監視役と指揮役です」

「へぇ。そうか。じゃあよろしくな。ミーネ指揮官」

「もうやめてくださいよ。でも…… ロッソさんは頼りにしてます」


 手を腰のあたりで組んで、ミーネは頬を赤くして恥ずかしそうにしていた。ロッソの少し前を歩くリーシャが、チラッとこちらをみて鋭い視線を向ける。灯りの少ない暗い夜の町を門へと向かう。ミーネはずっとロッソの横に並んで歩いていた。


「ちょっと暗くて怖いわね。ロッソさんは?」

「えっ!? まぁ俺は別に……」

「そうですか…… じゃあ!」


 ミーネがロッソの顔みて目を潤ませた。ロッソの左手をつかもうと手を伸ばす。


「えっ!? わっ!? ちょっと?」


 振り返ったリーシャが、慌てた様子でロッソとミーネの間に割り込みミーネより先に彼と手をつないだ。


「旦那しゃん! リーシャから離れたらダメですよ」

「あら…… ねぇ? この子はなんですか? まさかロッソさんの子供?」

「違うよ。旅の仲間のリーシャだ」

「はいです。旦那しゃんの一番の仲間です」


 ニッコリと歯を出して笑いリーシャは、ロッソの左手をギュッと握んで離さない。悔しがる素振りを見せたミーネだったが、すぐに何かを思いついたのか余裕の表情へと変わった。


「そう…… じゃあ、わたしは反対側でいいわ!」


 笑顔でロッソの右側にまわった、ミーネは彼の右手をつかむ。ロッソは左手をリーシャに右手をミーネに強引に手を握らされたのだ。


「さっ! 一緒に行きましょうねぇ。リーシャちゃん!」

「ブゥです……」


 リーシャとミーネに挟まれてロッソは並んで夜の道を歩く。ニコニコしてミーネはロッソに色んな話をしてくれる。ロッソとミーネさんの様子を見ていたリーシャが、横にグアルディアを呼び口に手をあてて小声で話を始める。


「旦那しゃんがリーシャたち以外の女の子にデレデレしてるです」

「これは後でシャロとミリアに報告だね。護衛(ボディガード)の怠慢だって」

「そうです。怒ってもらうです。ギッチギッチにしめてもらうです」


 二人の会話が聞こえてないロッソは、デレデレと鼻を伸ばし夜の町をミーネと歩くのだった。

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