第1話 勇者キース
魔大陸を統一した漆黒の支配者、魔王シャドウサウザーは世界を支配すべく侵攻を開始した。圧倒的な戦力を誇る魔王軍の前に人類は、必死の抵抗むなしく支配地域を失っていった。
侵攻開始からわずか二年で、四つの国が支配され、二つの種族がこの世から消えた。人は魔族によって、滅ぼされるのを待つだけだった……
しかし、神は人を見捨てなかった。
滅亡を待つ人類へ、聖女アルティミシアを通じ神からある預言が与えられる。聖なる光の刻印を持つ者が降臨し、勇者として魔王を討つであろうと……
最後の希望を得た人類。すぐに世界中へ使者が飛び、聖なる刻印を持つ者の捜索が行われた。
その後、カネリア王国の王都で、右手の甲に剣の形をした痣を持つ十三歳の少年キースが発見された。彼はすぐに勇者として王城に召喚され、祝福と羨望の眼差しを受け旅立った。
旅立ったキースは世界中をまわり十三人の仲間を集め、彼は仲間と共に魔王軍に占領された土地を次々に解放していく。
長く苦しい旅をつづけて数年…… ついに勇者キースは魔大陸へと上陸し、魔王シャドウサウザーとの最後の戦いに挑もうとしていた。