1話【人生の道筋】
わたくしがまだ2歳だった頃私の人生は変わってしまった。
お父様もお母様も使用人の皆も悲しみに暮れていた。
お兄様が亡くなったのだ……。
わたくしはまだ2歳でその事に理解出来ていなかった……。
「おかぁたま、おにぃたまは?」
返答に困りながら母は優しい微笑みを向けて答えてくれた。
「………あなたのお兄様は遠い場所に旅立ってしまったのよ。
もうあなたの傍にはお兄様は居ないわ……。
分かってくれるかしら?」
「うーん。
どうちておにぃたまはとぉくにいってしまったの?
わたちとあえないの?」
「もう……会えないわね……。
いつかあなたが理解出来る時が来たら話すわね。
あなたに…辛い思いをさせてしまうお母さん達を許してね…。」
ぎゅっと抱き締めこれからわたくしの身に起こる事が心苦しいと訴えてくるかのように…。
「おかぁたまくるちぃです。」
「許して……あなたを…あなた達を守れなかった事を……。」
「おかぁたま?」
「ごめんなさいね……リア……。」
「おかぁたま……わたちいなくならないよ?」
「……えぇ……。
わたくし達もあなたを守るわ……。
もう大事な我が子をわたくしは失いたくないもの……。」
「うん!やくしょくね!」
母とはそんな会話をしたのだけ覚えている。
2歳の頃の記憶は曖昧で2人目のお兄様がこの世を去った事で悲しみが充満した日々を過ごしていた。
それから4歳の時ついにお父様から話をされた。
わたくしの人生は……。
わたくしは…………自分の人生を生きる事が許されないのだと。
きっとお父様とお母様のがお辛いわよね…。
私は上手くやれてるでしょうか…………。
お兄様……見ていますか?
お兄様達が居なくなって……わたくしも寂しいです。
「リア……お前にこんな事を伝えるのは早すぎるのは分かっているんだ……。
2歳からお前が遊ぶのに剣を持たせてたのは覚えてるか?」
「お父様……覚えております。
なぜ私が剣で遊ぶようになったのかは分かりません。
私は女で剣を学ぶのは男性だと聞いております。」
「もう……お前にも教えてもいいかもしれないと判断した。
リアが2歳の時2人目の息子を失った……。
新たに子供を設けるとまた失うかもしれないと……。
リア……お前には悪いと思っている。
10歳になったらリアはロゼと名乗り男性として生きて欲しい………。」
渋々の決断なのは分かっている。
お父様の顔がとても辛そうだから…。
だけど納得が出来ない。
「そんな……!
私は女です!
男になどなりたくありません……。」
「分かっている…………。
王家の問題に我が家は巻き込まれているんだ……。
2人の息子は第1王子付きの騎士だったから……。」
「…………。
私はまだ4歳です……。
王家の事も家の事もまだ学んでいる所です。
男として生きなくてはいけないのならば淑女としての教育があるのは何故ですか?」
「いつか……いつか問題が解決した時どちらでも生きていけるようにする為だ。
俺達は淑女としてリアを育ててやりたかった。
それが……できなくなってしまった。
親として情けない……。」
「……分かりました。
男性としての役目も全う致します。
言葉遣いも学んでいきます。
お父様やお母様の気持ちもお兄様達の無念も私が解決します。」
「リアにばかり重荷を背負わせる事になって……すまない。」




