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心箱
心が
消えたなら
悲しみも
苦しみも
消えてしまうのかな
誰も
僕のことなんて
全部忘れて
明日もどうせ
世界はまた同じように
回るのかな
きっと何も残らない
悩みも
痛みも
言葉にならない
どうしようもなく
やるせない想いも
この心と一緒に
でも、夜空を眺めて
星座の神話を思い出してみる
それは昔、誰かがしまった
星の心箱
大地に立って
花言葉の囁きに耳を澄ませてみる
それはいつか、誰かが託した
花の心箱
月の和名に
輝く宝石に
誰かの心が宿っている
詰まっている
溢れている
この世界は心箱
だからこんなにも美しい
ときに醜く
哀しくとも
こんなにも優しい
星が、花が、石が、その全てが
誰かを大切に想う心を憶えているから
皆んな同じように
繰り返してきた
だから
夕陽はあんなに綺麗なんだね
何が大切か
心は憶えているから
お読みくださりありがとうございます。
本詩集もラスト1話となりました。
いいね!や感想で支えてくださったソウルメイトの皆さまに心から感謝と愛を。




