表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
詩集 心箱  作者: TiLA
63/100

心を空にして

一人で電車に揺られ

窓の外を眺めている


春の陽気に誘われて

一人で出かけてみる


でも一人で桜を見ても

つまらなくて


それは二人で見た桜を

知っているから


それは二人で見た桜を

知ってしまったから


桜ごしに見える青い空

どこまでも続く

限りなく透明なブルー


なぜこんなに

切なくなるんだろう


澄みきった空

そんなにきれいじゃなくても

重ねてしまうのかな

夢も、願いも

何にもない

ぼくの心に


でも本当はわかっている

空には何もないわけじゃないって


その存在は

あまりにも大きすぎて

あまりにも眩しすぎて

目を背けているだけだって


だって

目で見えなくても

耳で聞こえなくても

さっきから

こんなに暖かいから


だから早く夕暮れになれと

待ち遠しくなるのです


そのときだけは

あなたを見ることができるから


そして何もなかった空が

あなた色に染まっていくから


目に映る世界の

そのすべてが

あなたの色だけに


そして帷が降りれば

一人で夜空を眺めている


でも一人で月を見ても

さみしくて


それは二人で見た

月を思い出すから


それは二人で見た

月を思い出してしまうから


夜空に煌めく星の輝き

あなたが去って

はじめて気づけた

それは夢の瞬きか

それとも願いか


光の点と点とを結んで

夜空に線を引き

線と線とを結んで

面を描き

面と面とを結んで

箱を作ろう


ぼくの心箱を


そして夜空に浮かべて

ごみ箱のごみを捨てるように

一度空っぽにしてみたら


やっぱり残るのは

最後は希望なのかな


あの有名な箱のように






本日散歩中の桜並木にて撮影

挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 良きですね。 空を眺めたくなりました。 桜の花の隙間から覗く青空 夜空の月 星 夜空に線を引き箱を作る パンドラの箱の最後には きっと 希望がありますね。 とっても素敵な作品をありがと…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ