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詩集 心箱  作者: TiLA
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トランプ

熱力学の法則によれば

エントロピーは常に増大してゆき

秩序あるものは

無秩序となっていく


例えばトランプが

順番通りに並んでいるとき

それをきってバラバラにするのは簡単


でもそれを

きった順とまったく同じように

逆再生で元の並びに

しかも同じ労力で戻すことは難しい


それが不可逆


そして一見バラバラな並びのそのトランプも

そのあと5回きれば、5回前の秩序になる


時間もまた不可逆

その時間の中にいる

ぼくたちもまた不可逆


だとすれば、

ぼくらは生まれた時から

どんどん無秩序になっていくのだろうか?

心まで


でも、回し続けたルービックキューブが

突然揃うように

無秩序な先に秩序たるものが生まれることも

あるんじゃないかな?


人はそれを

奇跡と呼ぶのかもしれない


適当にきったトランプもあるときどこかで

同じ数字が4枚並んで揃うことぐらいはあるだろう


ずっと昔に誰かが書いた作品の

誰かの言葉、その心箱に入れられた心と


今それを読んでいるぼくの心とが揃うことだって

きっとあるかもしれない


時を超えて重なり合える心が

あるのかもしれない


今きみが書いた言葉と

同じ言葉を書いている人が

どこかにいるかもしれない


でもそれは奇跡と呼ぶにはあまりにも

ありふれていて


だから物理では証明できない何かで

きっとぼくらは繋がっていると思うんだ


トランプの裏は

みんな同じ柄のようにね



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