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詩集 心箱  作者: TiLA
42/100

でもまだ

穏やかな

心地良い

春の風になって

あなたの胸に飛び込み

そのまま吸い込まれたい

でもまだ

風は少し冷たくて



爽やかな

初夏の浜辺

白い波となって

あなたの素足に纏わり

砂の中へと誘いたい

でもまだ

波の音は遠くて



密やかな

秋の夜更けに

月の光となって

あなたの頬に手をあて

そっと包んであげたい

でもまだ

その涙は乾かせなくて



静やかな

冬の遊歩道で

悪戯な雪になって

あなたの唇に舞い降り

そっと口づけたい

でもまだ

雪は少し霙混じりで



鮮やかな

夕焼けに包まれ

高鳴る鼓動

あなたが恋しい

でもまだ

恋と言うには早すぎて

心は、また彷徨って


涙は

どんなに悲しくても

涙が悪い訳じゃない


でもまだ

少し幼くて

言い訳を探して


戸惑ってばかりで


季節だけが巡ってゆく












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― 新着の感想 ―
[良い点] 一歩踏み出す勇気が出ない、もどかしい雰囲気がとっても良いです。 自分を置いて、季節ばかりが過ぎていってしまう。
[良い点] いいですね! TiLAさまの真骨頂を見る思いです。 春夏秋冬を「でもまだ」と謳い、「季節だけが巡ってゆく」で締める。 上手いと思いますし、叙情的です。
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