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詩集 心箱  作者: TiLA
15/100

失われた世界

昔この惑星では

地上からでも星が見えたという


今はコロニーからしか

見ることはできない


昔この地上には

道端でも花が咲いていたという


今はデジタルライブラリーでしか

見ることはできない


昔ここで栄えた知的生命体には

愛という概念があったという


やがてその生命体は

AIに取って代わられたようだ


今はもうその愛とやらは

どこにも残っていない


ただ彼らが使った言葉という

コミュニケーションツールにおける

「ショウセツ」と気体の振動で発音される

文字という記号の配列法においてのみ

その跡が見られるという


昔この海には魚が泳ぎ

空には鳥が羽ばたいていたという


時には竜なる生き物が大空を駆け

勇者と選ばれしものがそれと戦い

剣を振るい魔法を放ったのだという


今ではとても信じられない

今ではもう

取り戻せない


失われた世界


彼らの文明は

いくつもの異世界と繋がっていたという


なぜ勇者を輩出し

いくつもの世界を救った

彼らの世界は救えなかったのだろうか


なぜ魔王に滅ぼされ

勇者は失敗したのだろうか


今はもう誰もいなくなってしまった

誰に訊くことも

もう出来ない


失われた世界(ザ・ロストワールド)


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― 新着の感想 ―
[一言] この語り手である観測者は誰? って考えると、ふしぎな感じのする詩ですね
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