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センチメンタルな秋の空
旅先の
しんと静まりかえった
見覚えのない
朝陽差し込む部屋で
ひとり目を覚ました
まどろみながら
もし明日
もし誰も
おはようも
おやすみも
言える人がいなくなったら
どうしようって
そんなことをふと
思ったら
心はもうどうしようもなく
きみで一杯になった
センチメンタルな
秋の空
太陽におはよう
白い雲にいってきます
挨拶してみる
まだネクタイをしない
胸元に
少し冷たい風が通り抜ける
今夜きっと
空はまた澄んでくるだろう
月にただいま
瞬く星におやすみ
って帰ろうかな
それでも
それでも
秋の空が
どんなに優しくっても
いってらっしゃい
と手を振り
おかえりなさい
と抱きしめてくれるのは
きみがいい
目が覚めたら
きみがぼくを見ていて
きみの寝顔に
おやすみと囁きたいよ
愛してるは
きみだけに言いたいんだ
だって
センチメンタルな
秋の空は
どうしようもないほど
どこまでも
ブルーだったから




