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一週間後
創部手続きが終わって今日から練習です。初日ということで私たち三人と部員47名全員がそろっておりますの。
「本日より、蹴球部の部長及び教導官を務めさせていただくことになりました。何分初めてのことですので、至らぬところも多いかと思いますがよろしくお願いいたしますわ。」
そういってなぜか用意された白いセーラー服を身にまとい挨拶を行います。
「本日のお姉さまは管理局の白い悪魔みたいですぅ。似合うと思っていたんですぅ。」
何か変なところで盛り上がっているモブ子さんがいます。ちなみにモブ子さんは黒で統一。魔王の嫁はこの色でないととか言っておりましたわ。誰が魔王ですか。
「まずは、初歩的な護身術と体力トレーニング、および筋力トレーニングのやり方から説明していきますわ。」
普通のご令嬢の場合、パンチやキックということを行っても大した威力にはなりません。相手の力を利用するにも最低限の筋力は必要です。「柔よく剛を制す」なんていう競技者が筋トレを欠かしているなど聞いたことがありませんわ。それに同じレベルの技があるなら力の強い方が勝つのは常識です。
軽いトレーニングで半分時間を使った後、実際の護身術に移りますわ。
「そろそろ、護身術の指導に入りますわ。まずは膝蹴りです。なぜ膝蹴りが有効かわかりますか?」
部員の一人に尋ねます。
「割と力が乗るからでしょうか?」
答えとしては20点くらいでしょうか?
「もちろんそれもありますわ。これから訓練をして肉体改造をしてまいりますが、現状では骨格や筋肉から見て普通に前蹴りや、まわし蹴りなどを放っても大した威力にはなりません。」
肉体改造に半年くらいは必要かしら?
「また性犯罪者は基本的に至近距離に近づいてくるので、こちらの攻撃も間合いの近いものを選択する必要が出てきます。剣術などと違い間合いの攻防というのはあまり考える必要がありませんの。近寄ってきたのを潰す!それに特化してもいいといえますわ。よほど身長差のある殿方相手でなければひざは極めて有効な攻撃手段となりますわ。」
手段としての有用性ともう一つ。
「それともう一つは冤罪を防ぐ意味合いがございますの。」
「冤罪ですか?」
部員たちの顔に疑問の表情が浮かんでおりますわ。
「そうです。痴漢や性犯罪者であっても冤罪はダメ絶対ですの。冤罪をかけるとざまぁされるというのはこの世界の理ですわ。前王妃などを見てもその地位を追われたでしょう?」
「たっ、確かに・・・・」
正確には会長ちゃんが即位するまでは現王妃なのですけれど、すでに前王妃という認識で統一されておりますから問題ないですわ。
「その点膝蹴りはすごいですわ。最初から冤罪率極小ですもの!」
「スティックタイプのチョコレート菓子みたいですぅ。」
モブ子さんが合いの手を入れてきますが会長ちゃんは少し理解が追い付かないようです。彼女の家や王家にトッホ○はなかったのかしら?
「もう少し細かく説明してほしいのじゃ。」
まあそうですわよね。
「この国や周辺国家での正式な礼儀作法では殿方からのアプローチは膝をついて手を差し出す。または立っていても礼をしながら手を差し出す。エスコートなどは肘をまげてご婦人が腕を取るということになります。すなわち正面に膝蹴りが届く範囲でタマタマが存在する時点でパーソナルスペースを侵害し、非礼なふるまいをしているということになるのですわ。」
「確かに・・・」
部員たちが納得していますわ。
「もちろん、安易に殿方と二人きりにならないことや、第三者に証人になってもらえる状況を常に考えておく必要はありますが、膝蹴りで潰せば後々の現場検証?実況見分も楽になるというものですわ。ですので心置きなく潰して構わなくってよ。」
「情けも容赦もないんだよってやつですねぇ。」
モブ子さんもうれしそうにしています。
「では実際にやってみましょうか。リピートアフターミーですの。」
そういって標的に膝を入れますわ。
「しゅーきゅーぶーー!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!」
「「「「しゅーきゅーぶーー!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!」」」」
良い感じです。この分なら不埒者のタマタマが潰れる日も近いかもしれませんわ。実践ではドスッ!がグシャ!になりますが些細な問題ですわ。ちなみにパンツが見えるとはしたないですのできちんとスパッツ着用ですの。流石に平時でレッグガードなどはつけられませんが、相手もファールカップなどはつけていないでしょうからお互い様ですわね。
「一度で潰すのが理想ですが外れたときのために連撃が出来るように訓練です。ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!」
「「「「しゅーきゅーぶーー!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!ファイ、ドスッ!」」」」
慣れないうちは股関節も硬いですし筋肉もないですから大変ですが、腿上げの運動を兼ねて一日3回×30セット。これを左右両方でいきましょう。慣れてくれば中距離用に前蹴りなどの訓練も加えればより効果的ですわ。
そうやって訓練を続けているとみんなへとへとになったようです。あまり無理をさせても続きませんから今日はこのへんで切り上げてティータイムにしましょう。スィーツの試食会ですわ。
「さあ皆さん、今日は少し早めに切り上げてお茶に致しましょう。モブ子さんが新作のスィーツをお茶請けに用意しておりますの。淑女たるもの疲れていても笑顔ですわよ。」
「「「はい!」」」
こうして半年ほど訓練が続いた頃には皆様的確に潰せるようになりました。
これが後に王国の最精鋭部隊、血尿部隊と恐れられた蹴球部の設立秘話でございますわ。戦場では右膝を赤く染めた脚甲をつけレッドシューターと恐れられた彼女たちは近い将来一騎当千の活躍をすることになるのです。
モブ子「お姉さまはひょっとして異能生存体ですか?」
会長「そう考えると安易に近くにいるのも危険かもしれないのじゃ。」
「諸君私は玉砕が好きだ。諸君私は玉砕が大好きだ。草原で王宮で学園で敵国で街道で空中で戦場で海上で、私はありとあらゆる玉砕が大好きだ!(中略)私はレッドシューターは一騎当千の強者だと信じている。ならば私と剣姫と49名の部員で総玉砕100万個の軍集団となる!さあ諸君!地獄を創るぞ!」
モブ子&会長「剣姫とお姉さまで95万個分・・・・貞操逆転世界まっしぐら!やばすぎる。」




