吸血鬼
申し訳ございませんでした。小説の順序が逆になってました。こちらが激動の前の話です。
「何よこれ!?」
ぐるぐる巻になった布団が蠢いているのを見てルシアが叫んだ。
「ん〜?いや、それ昨日ルシアがやったんだろ」
「はぁ!?知らないわよ」
え〜、あれ無自覚でやってたの?それはそれで怖いんだけど…
「夜ってことは泥棒?」
「…かな?」
俺は泥棒じゃない気がするが、下手に言ってもなんか誤解招きそうなので黙っておく。
「取り敢えず、拘束解いてみる?」
「そうね」
俺は腕を組んで見守っていたのだが、あからさまに3人とも俺を見ているので仕方なく、俺がゆっくりと拘束を解く。
すると、拘束を緩めた瞬間布団が裂け、泥棒?が襲いかかってきた。
「おわっ!」
俺は直ぐに飛び退いて、攻撃を躱す。
そうしているうちに、三人が素早く動いて、女性にロープを巻き付けた。
あれ?この顔…どこかで…
再び動けなくなった女性を見て、ルシアが睨みつけた。
「あんた誰?目的は何?」
女性はじっとしていたが、覚悟を決めたのか、顔を上げてルシアを見つめた。
「私はカルローナ・アイシャ。吸血鬼。目的はそこの男の血」
「え〜なんで俺の血…?」
俺から見れば確実にルシア達の方が美味しいそうだ。
「一昨日の夜に吸ったとき美味しかったのよ」
アイシャは舌舐めずりした。
ん?一昨日?そういえば…なんか記憶に…あ!あのとき俺とその…ヤッた奴…?え、夢じゃなかったの?
「何か良い夢でも見たの?」
アイシャはニヤニヤとしながら尋ねてきた。
「さ、さぁ?」
俺は適当に惚けておく。
「ふぅ〜ん、私血を吸うと寝てる時なら私が夢に出てくるんだけどな〜」
「っ!!」
三人が俺をじっ〜と見つめてくる。
「夢だから、よくエッチなのが多いんだけどねぇ〜」
三人は俺にずいっと近づいてきて三つ目てくる。
「い、いや〜夢だし覚えてねぇや、あはは…」
俺は意地でも惚けた。もしもバレたら殺されるどころではない。
「ねぇ血頂戴よ、お腹空いた」
「あんたねぇ、今の状況分かってる?」
「なに?この拘束のこと?」
そう言って、アイシャは解けた縄を見せてくる。
「へぇ〜ならとことんやってやろうじゃないの」
「勝てるの?私に?」
ルシアとアイシャは一触即発の雰囲気に陥る。
「はいはい、そこまで。アイシャに血やるから、さっさと出ていけよ」
「ふ〜ん、貴方名前は?」
「レンヤ」
「レンヤはどこかのつるぺたと違って優しいのね」
確かに、実際比べるとノアやレナよりは少し小さいが、それでもかなりのボリュームだ。
はっ!
俺は隣から殺意を感じてルシアの方を見ると、今にも飛びかかりそうな血走った目でアイシャを睨みつけている。
「まぁ、さっさとやってくれ」
「はいはい」
アイシャは近づいてきて、肩に顔を近づける。
(また、女性の良い匂いが…)
これまた、ルシアやノア、レナとは違った、匂いだ。
肩に吐息はかかる。
「頂きます♡」
アイシャは小さく呟くと、牙を肩に刺した。
「んぅ!?」
痛いという感触はなく、寧ろ気持ちいい。なんか癖になりそうだ。
「チュパ♡」
満足したのか、アイシャはある程度吸ったところで口を離した。
「ご馳走さま、チュ♡」
アイシャは舌舐めずりをしてから俺にキスをした。
「何してるのよ!!」
怒りを爆発させたルシアがアイシャに飛びかかっていった。
「なんでニヤニヤしてるのかな?」
ノアが俺を後ろからはぐして、ジト目で尋ねてきた。
「シテナイヨニヤニヤナンテ」
「片言なのはなんでかな〜?」
ノアのニッコリとした笑顔は俺の背筋をゾっとさせた。
レナに助けでも求めようかと見渡すと、隅っこの方でなんかしょげている。
「……まだ私したことないのに…」
なんかブツブツと呟いているが遠くて聴き取れない。
「さっさと、出ていきなさいよ!」
「したくても、掴まれてできないんだけどなぁ〜」
「うぐぐぅ〜〜!」
ルシアは怒りを抑えてアイシャから手を離す。
「フフッ、ありがとう」
アイシャは嬉しそうにして、窓による。
「あ、そうだ」
窓から身を乗り出した時に、不意に立ち止まった。
「私も貴方達について行こ♪」
部屋には怒号が響き渡った。




