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やっぱり……




「いや、もういっか!」


俺は捌く作業に飽きてきたので多少ダンジョンが潰れても何とかなるでしょ感覚で魔法を使うことにした。


俺は魔力を練って、それを刀に纏わせる。雷鳴剣って言ったところか?剣じゃなくて刀だけど…


「よっしゃっ!」


俺は踏み込んで今までの2倍程度速く動いた。


ベリアナの驚いた表情が分かる。


が、遅い!


俺は首を斬ろうとするが流石は魔王といったところか、ギリギリのところでかわされる。


しかし、体勢が崩れているので今度は雷を脚に纏わせて振り上げる。


「っく!」


ベリアナは滅茶苦茶に魔法を放ってくるが俺はそれを全て捌いて段々ととベリアナに近づいていく。


「逃げんなよ!」


逃げようとするベリアナを銃を放つ。しかし、それは惜しくもベリアナには当たらない。


「ふっ、どこに撃って…」


「『反転(リバース)』」


先程放った銃弾は、戻って来て、ベリアナの脚を貫いた。


「なっ!?」


銃弾の中に魔法を埋め込み、自由に操作できるようにしておいたのだ。


ベリアナの動きが止まった。ちゃんは今しかない。


俺は更に刀に魔力を纏わせて密度を濃くする。次第に刀は蒼く光り輝いていく。


「『雷轟斬』!」


しかし、ベリアナの生存本能なのか、無意識的に無理矢理体を捻って致命傷は避けられた。


「うぐっ…」


それでも、横っ腹は切れて血がダラダラと流れる。




………あれ?




俺って何してるんだ?



自分の刀を見ると蒼い光と赤黒い血が付着している。


その持っている手はよくわからない震えによって感覚がなかった。


ベリアナの方を見るとこちらを物凄い形相で睨んでおり、それと同等くらいの魔力が集まっていた。


空気が一気にピリッと張り詰める。


あの攻撃はヤバい。こちらも少し本気を出さないと全員は守れない。


俺はチラリと後ろを見る。


イヴ達が心配そうにこちらを見ている。


……殺るか



そう決心してからは記憶がなかった。


腕を斬った時の苦悶の表情と悲鳴、命乞いの叫ぶ声、ニタァと嗤う表情……


どれをとっても余り記憶には残らなかった。


最後は勝つことを諦めたベリアナが逃げるのを後ろから斬って終わった。



「大丈夫ですか?先生?」


イヴが心配そうに、尋ねた。


「う、あ、あぁ、大丈夫大丈夫」


あの後ダンジョンが崩れそうだったので早急に出口へと向かった。ベリアナを倒したことによるのかダンジョンは元のように戻っていた。そして、生徒らは無事全員生きており、ルシアやノア、レナも全員無事だった。


どうやらそれぞにもベリアナの部下が現れたようなのだが、まぁ、それはキッチリ倒したのだろう。


取り敢えず俺達は本来泊まる予定の宿に向かった。その間、イヴやレックス、リディア、ランガまでも何やら質問とかしてきたが、正直何も覚えていない。


別に疲れているわけでもなかった。


それでも…






俺は風呂を入り終え、夕涼みのために縁側に出た。


風がそよそよと全身を吹き抜けていく。


俺は座って星を見た。やはり地球と同じように何億もの星がキラキラと輝いていた。


「なにしけた顔してるのよ」


振り返るとそこにはルシア、ノア、レナの三人が風呂上がりなのか髪を濡らしたまま立っていた。


「……別に」


そう返事をすると、ルシアは「はぁ」と溜め息をついて俺の隣に座ってきた。


「あんたね…、その顔でなんにもないなんて言う方がおかしいわよ」

「………」

「………はぁ、どうせ()()()()()()()()?」


核心を突かれたせいか、俺は動揺した。


心臓がバクバクするのが止まらない。





ーーーツン


ルシアは指を俺の頬当てる。


俺はそっとルシアの方を見るとルシアはただニッコリと笑って立ち上がった。そして、何も言わずにその場を去った。


俺は特に何を言われたわけでもなかったにも関わらず涙が溢れ、溢れた。


「大丈夫だよ」


ノアがそっと俺の頭を撫でた。


「そうだよ、それに私の仇をとってくれてありがとう」


レナは俺に抱き着いた。


そこからはよく分からなかった。


何故かルシアが戻ってきていてレナを剥がしていたし、ノアはノアで抱き着いてくるし。


それでも俺はそれがいつもの光景で、心から笑っていた。


「というかルシアは何で戻ってきたんだよ」

「お酒を取りに行っただけだからよ」


そう言って、お酒を注いで俺に渡す。


「フハハッ、サンキュー」


なんかルシアらしいなと思った。


俺達4人は仲良く揃って酒を飲んだ。


「なぁ…」

「ん?」

「教師辞めようぜ」


俺は呟いた。


「いいわよ」

「私もいいよ」

「私も」


みんな肯定はしてくれるものの理由を知りたがっているようだ。


「やっぱりまた4人で適当にブラブラと旅する方が良いからな」

「………そう」


ルシアはそっけなく言ったが、ホッコリとした笑顔だった。ノアもレナもそんな顔だった。


「いつ辞めるの?」


ノアが尋ねた。


「……この修学旅行が終わったら辞める」







ーーーー、ーーーー







(……嘘だよ…ね?先生がいなくなるなんて…)






ルシア  「ちょ、レナなんで抱きついてるのよ!」


ドタドタッ〜



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