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危惧




「……なんだこの扉」


俺は前回は無かった扉の前で首を傾げる。


「え!?知らないんですか!?」


カイトがビビったように声を上げる。


「うん、まぁ入るか」


俺は扉に手をかけてそのまま引く。


「ちょ、ちょっと待って下さいよ!」


カイトが静止してくるが俺は無視して扉を引くがびくともしない。ちっ、何だよこれ


「あの〜、先生?押すのでは?」

「はぁー?んなわけ……」


俺は軽く押すとすんなりと扉が開いた。


「……ま、分かってたけどな」

「絶対わかってなかったですよね…」


カイトはつかれたように言ったが、俺は無視してズカズカと先に進んだ。


「ん?なんだここ」


扉の先は広い空間になっており、まるでボス部屋のようだ。


「あの、先生大丈夫ですか…?」


カイト達はこちらには入らずずっとビクビクとしている。


「っ!!」


と、突然地面が揺れだした。ボスのお出ましか…?


広場の中心に魔法陣が出来て何かが出てきた。


犬の顔が3つ……まさかケルベロスか!?


俺はそれが魔法陣から出終わる前に逃げ出した。


「おい!逃げるぞ!」


俺は叫んで生徒らに指示する。あんなの勝てねぇだろ。だいたいこのダンジョンってボスはゴブリンじゃなかったのかよ!


「ちょ、やっぱ先生だめじゃないですか!どうするんですか!?」

「知らねぇよ!取り敢えず走れ!」


ただただひたすらに走った。


「あの魔物なんなんですかね?」


俺とカイトのペースに合わせているせいか少し余裕のあるギルドが少し悩んだ。


「さぁな!どうせケルベロスだろ!」

「っ!?ケルベロスといえばA級の魔物ですよ!?」

「へぇ〜それってどういうレベル?」

「S級冒険者が束になって倒すレベルですよ。というかそういうこともーー」


ギルドが俺を貶そうとしたとき、後ろで凄い地ならしがした。


俺はゆっくりと振り返るとそこにはやはりケルベロスが白い息を吐きながら佇んでいた。


「あ、終わった」


カイトが腰を抜かしてその場に倒れた。他のメンバーもそこまではなっていないにしろ戦意喪失している。



「しっかりしろ!!!お前ら!!」


俺は叫んだ。


「いいか…?俺がアイツを食い止める。その間に逃げろ」


「で、でも…」

「うっせぇわ!!はよ行け!無駄死になるのだけはごめんだからな!ほら、早く走れ!!!!」


「……先生、ありがと、」


生徒らは見えないが涙を流しながら走って行ったのだろう。


「さーて」


この化け物どうしよ…


「グルルルッ〜」

「だぁ〜うっせぇ!犬は嫌いなんだよ!吠えやがって!」


俺は暴言を蹴散らすとお返しとばかりに一匹の犬が炎を吐いてきた。


「アチッアチッ、やめろよ!」


俺は少し燃えた服を払いながら怒鳴る。もう、久しぶりに使うか…


俺は魔力を練り始めた。


「『最後の審判(ラストジャジメント)』」


俺の周りに魔法陣が展開される。以前の時よりそれは更に大きくなっており余裕でケルベロスまでも包み込んでいる。


あ、なんかいける気がする


有罪(ギルティ)!!」


俺は挙げた手を真っ直ぐ振り降ろす。


振り降ろしたと同時に、地響きが響き渡った。


「………あ、れ?」


確かに魔法は発動した、したはしたのだが…


「まさか、ダンジョンの外!?」


ここまで魔法が来ることはなかった。この魔法は一応雷の要領なので、おそらくダンジョンの、外に落ちたのであろう。つまり、なーんの意味もないことをした。


「グルルルっ、グルッ!」


ケルベロスは更に怒りだして、もう白い息どころか口から炎を出しながら呼吸をしている。


「うん、逃げよう」


俺は全力で回れ右をして走った。



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