優勝!!
「第七十回武闘祭優勝は、Eクラス!!!」
Eクラスを卑下していた人もそうでない人も揃って祝福をする。
「やったな!」
「ああ!最高の気分だぜ」
Eクラスの生徒らも優勝の喜びを分かち合っている。
「あれ?レンヤ先生は?」
イヴは今回のなんというか功績者がいないことに気づいた。
「あぁ〜レンヤ先生ならさっき表彰式はダルいって言ってどっか行ったぞ?」
「え…?」
別にいても居なくても変わりはないがどうせなら一緒に優勝を分かち合いたかった。
「残念だったね〜、愛しのレンヤ先生がいなくて〜」
「え、えぇ!?い、いや、そんなんじゃなくて!」
リディアがからかってきた。別にそんなわけでもないはずなのに、変に胸がドキドキする。それに顔も熱く…
「え、まじ?」
リディアは何かに勘づいたように戸惑いの表情を見せた。
そんなことも気付かず、イヴはその変な鼓動を鎮めようとしていた。
「あぁ、やっと来たか」
屋上のドアが開いた音を聞いてレンヤが言い放った。
「…………」
「おいおい、何黙ってるんだ?」
来た相手は終始無言でこちらをずっと睨んでいる。
「……お前は何者だ?」
ようやく口を開いたかと思うとそんな質問をしてくる。
「………さぁ?知らねーよ」
自分が何者なのかはなにンが決めることであって自身で決めることではない。
「なんで、あの時にあそこにいたんだ?」
「それは教師だからだろ?」
「お前の目的はなんなんだよ。俺達を負かせるならイヴは選ばなかったはずだからな」
「うーん、まぁ強いて言うなら暇潰しかな?それより、お前は誰なんだよ」
レンヤは相手に背を向けて尋ねた。横殴りの風が髪をユラユラと揺らす。今の俺ちょっとカッコいいかも
「………いや、お前の方が誰だよ!?なんで俺の格好してんだよ!本当に誰だよ!?まじで何なの!?」
相手の顔はそれも正しくレンヤだった。奇妙なことにレンヤが二人いるのだ。
「さぁ、私は誰でしょう?」
「知らねぇーよ!!それを聞いてんだろうが!」
もう怒らないでよぉと言いながらレンヤ(偽)の方は体が光りだした。
「これでいい?」
そして、光が収まると、そこには銀髪の女の子がいた。
「あ、お前は!!」
その姿を見た途端俺はありしの記憶が鮮明に思い出された。あの恐怖体験だ。確か名前は…イリアとかだったような
「おいー、ビビらすなよ。あん時まじで怖かったんだから」
「えぇ〜私は面白かったよ♪」
イリアは口に手を当ててクスクスと笑う。
「で、何のようなんだ?」
俺は真剣な表情で尋ねた。
「まぁ、最期の遊びかな」
「………?最後?」
「そう最期」
何を言ってるんだ?てことは何処かに引っ越すってことか?
ほぉ、なるほど、そういうことか!
「お前寂しかったんだな」
「……?まぁ、刺激がないことにはひましてたかな」
「そうだな〜そうだよな〜」
俺はウンウンと頷いた。この手の輩はかまってちゃんなのだ。
「じゃあ短い間だけど宜しくね〜」
「おう!」
そう言って、イリアは姿を消した。
「まぁ、そういうこともあるわな」
俺は歓声が聞こえる方に耳を傾ける。
「奢るの嫌だしトンズラでもするか……」
俺は歓声から背いて歩き出す。
「あ、ルシアが金貸してくれるって言ってたな…じゃあいっか」
やっぱり俺は歓声が聞こえる方に向き直った。そして、屋上から飛び降りて俺のクラスメイトの元へと駆けていった。




