敗北者
「もう大丈夫か?」
廊下でしょぼ暮れているイヴに声をかける。
「観てましたよ…負けたじゃないですか……」
「まぁ、運がなかったな」
俺は歓声が響く方を観る。AクラスとBクラスの戦いはまだまだ続きそうだ。
「私が勝っていれば…」
「勝ったところで戦闘の得点は倍くらいあるんだろ?負ける負ける」
「じゃあ私を戦闘にすればよかったじゃないですか!」
イヴは目から涙をポロポロと流す。
「まぁまぁ、俺がなんか奢ってやるからよ、泣くな」
俺はイヴの頭を撫でようとする、がイヴはその手を払う
「もう、放っといて下さい」
イヴは俺に背を向けて走り出した。
タンタンという足音だけが何重にもハモって聞こえた。その音も歓声によって掻き消されていく。
「………いるんだろ?」
俺は独り言のように呟く。
「気付いてたの?」
陰からルシアがあらわれた。
「………どちらさん?」
「ルシアよ!!ちょっと最近出てなかったからって忘れるんじゃないわよ!」
「分かってるって」
俺はまぁまぁとルシアを落ち着かせる。
「それにしてもヒッどいよね」
「何が?」
「女の子を泣かせているところよ」
ルシアはプリプリと怒る。
「それに、大事な部分を隠しているところよ」
「大事な、部分」
俺は下を見る。流石にこれはさらけ出せないな…
「そういう意味じゃないわよ!」
「へっ、わかってら〜」
「キャラ崩壊してるわよ…」
ちょっと冗談言っただけなのに…
「あんたが言わない理由は解ってるけど、後で謝っときなさいよ」
「へいへい、試合が終わったらな」
俺はそう言って会場の方へと足を向ける。
「あ、そうだ」
「何よ?」
「金貸してくんね?」
「噂は聞いてるから、いいわよ」
「サンキュー」
俺は手を挙げてお礼を示す。
その瞬間歓声が一気にMAXになった。どうやら決着が着いたようだ。
よし、じゃあ今から罵られにいきますか




