四天王
「嘘だろ……」
「まさか…」
そんな言葉が口々に漏れる。
それは魔術部門で起こった出来事だった。
魔術部門では魔法である的を狙い射貫く。その距離や個数、威力を競う。
威力ではぶっちぎり1位を獲得したE組だったが、まさかのイヴの不調により、的を外しまくったE組がまさかの3位という結果になってしまったのだ。
「ごめん」
「ま、まぁ、時それぞれによって調子は変わるからな」
イヴを皆励ますが、内心絶対に勝てると思っていたせいかE組の表情が曇る。
次はラスト、戦闘。A組B組には恐るべき四天王がいる。
俺達E組が優勝するには……戦闘で一位を取るしかない。
「あの、作戦でいけよ」
「はい」
カイトは不審そうな目で見つめてくる。
「自信持てよ」
「いや、自信どうこうの問題じゃない気が…」
「だーっ!うるせぇー!お前らが勝たないと優勝はねぇんだっつうの!頑張れ!」
「いや、だから…頑張るなにも…」
カイトはゴニョゴニョと何か言いたげだが俺は無視をする。
「行って来い!お前ら!」
戦闘のメンバーは緊張しながら会場へと向かう。他のクラスのメンバーは凄く強そうだ。
「先生、ちょっといいですか」
イヴがこちらに寄って尋ねてきた。
「なんだ?」
「どうして私にあんなことをさせたんですか?」
イヴは真剣な眼差しでこちらを見る。
「勝つためだよ〜」
俺はイヴの方は見ずもうすぐ始まりそうな会場を見やる。現在1位はA組、続いて2位がB組、そして3位がE組だ。しかし、A,Bには四天王がいるため下位3組はアイコンタクトのようなものを取っている。
おそらく、共同して打ち倒すつもりでいるのだろう。
「茶化さないでください。私は本当に…」
「大丈夫だって、ほら、始まるぞ」
「………」
俺は隣に座るように座席をポンポンと叩く。イヴは黙ったままその席に着いた。
「………四天王で誰が一番強いんだ?」
「……一番は、正直わかりません。実力は均衡してると思います」
「ふ〜ん」
俺は持ってきていたポップコーンを鞄から取り出す。いるか?とイヴに差し出したが首を横に振られた。
「戦闘に出たかったか?」
「それは……はい」
「まぁ、それで優勝出来るかは五分五分だな」
「なんでなんですか?ランガくんもいるんですよ?」
俺はポップコーンを一握りして全て口に放り込む。あ、塩かけるの忘れてた…
「まぁ、四天王同士で戦うだろ?そしたら他のクラス四天王同士で戦うわけにはいかないんだから、どっちかがどっちかと戦う。じゃあ勝てるかどうかは分からないだろ」
「それは、まぁ」
「その点、四天王二人を違う種目に配置したらどっちも優勝できるってわけ」
「私の場合は力を|ーー」
「それも勝つため」
俺はイヴの言葉を遮って答えた。
「説明してください!」
イヴは叫んだ。クラスメイト達が一斉にこちらを見る。イヴは目に涙を浮かべている。俺はイヴをじっと見つめる。
イヴは結局、俺の元から離れて、どこかへ行ってしまった。
「先生、酷でぇな…」
レックスが辛辣な言葉を述べる。
「何を言ったか知らねぇーけど、不調だったんだからしょうがないだろ」
「まぁ、そうだな」
その瞬間、試合開始のゴングが鳴った。
「今は試合だ、応援しろ」
「………ちっ、」
レックスは舌打ちだけをして、席に着いた。
この試合は四天王がどれほどの実力かで勝敗が決まる。
(頼むぞ…)
俺は心の中で応援をした。




