新人イビリの結末
「…………」
俺はある扉の前に立った。
そう、女性教員達が泊まっている部屋だ。
ここで女性教員を誘う!!
「っていってもな〜」
正直こんなの誰も来るわけない。女性から男性はホイホイと行くだろうが男性から女性なんてよっぽどビッチじゃない限り来ねぇだろ。
「………何やってるんですか?」
「おわっ!………あ、セレナ先生」
急に後ろから声をかけられて心臓が止まりそうになった。
「あ、新人イビリですか?」
「えー、もうこっちでも恒例なのかよ…」
じゃもう確定で断られるじゃん。やる意味ないじゃん
「もう、さっさと終らせよ」
俺は扉に手をかける。
「あ、ちょっとまっ…」
「え?」
セレナ先生が何かを言いかけたがそれより先に扉を開けた。
「あ、あん♡ちょ、うんっ♡」
「あ、そ、そこは♡」
「や、やめ、て♡」
うーん、この光景は……
何人かの教師が胸をモミモミされて艶っぽい声を出していて、何人かの教師は事後なのかぐったりとしている。
因みにルシアとノアはモミモミされていてレナは事後っぽい。
俺は静かに扉を閉める。
「………なんかすまん」
「ま、まあ忘れてください」
「うーん……無理」
「ハ、ハハハ、…………ですよね」
あ、もしかしてセレナ先生って最初の被害者だった系?心なしかぐったりしてるし……
てか、どうしよ?誘う雰囲気でもないし…
うん、部屋に戻ろう。誘えなかったって言えばいいだろ
「じゃあ俺はこれで」
「はい、おやすみなさい」
「おやすみ〜」
俺は部屋にゆっくりと戻っていった。
部屋に戻るやいなやドンマイとかわかるさその気持ちとか気遣いの言葉をかけられる。
いや、分かってていかせたんだろ!
「ではA班から報告を」
宿の中で一番大きな部屋に椅子とテーブルが円上に並べられている。
「はい、こちらA班はレベル5闘魔の森を偵察しました」
「闘魔の森、か。で、どうだった」
「特に変化はありませんでした。これなら今年も行けそうです」
「そうか。それは良かった」
教頭はにこやかな顔をする。自慢のA組の修学旅行先が変更しなくて嬉しかったのであろう。
そう言えばどういう基準でクラス分けしてるんだ?ぶっちゃけAクラスを強くするんだったら四天王とか全員ぶち込みそうなのに……
じゃあ意外と平等に分けて……それはねーな。あんなに問題児が多いのはおかしいな。
「次!E!」
教頭は怒り口調で言い放つ。
「…………???」
なんで誰も立ち上がらないの?
「おい!!レンヤ先生!!」
「は、はい?」
俺は教頭に指を指されて重い腰を上げた。
「え……と?他の先生は?」
俺は何も聞いていないのでセレナ先生やカレン先生を探すが誰もいない。
「セレナ先生なら今日用事で行けないと言われているが?」
「え……聞いてねー。じゃあカレン先生は?」
「…………酔い潰れたと聞いている」
「はぁ!?」
「………で、報告は?」
「いやいやいや、なんで酔い潰れてるの?今日なんでしょ?宴会」
「………報告」
「てことは俺って超真面目じゃん!俺だけが出席って、」
「やかましいわっ!さっさと報告しろ!」
どうしよ?………あ、これって異常があるって言えば修学旅行先変わるんじゃね?
俺って頭いいな!
「それが、、ドラゴンが出たんです!」
思い切って言ってみたのだが、他の先生方は冷たい先生視線が俺に降り注ぐ。
あれ?間違えた?
「………それは本当なんだろうな?カレン先生に聞くぞ?」
「あ、え、えっと」
俺は冷や汗をダラダラとかく。ヤバい!
「じょ、冗談ですよー。やだなードラゴンなんて」
「…………………」
先生全員はまだ冷やか視線を続けてくる。
「え、えーっと。ミノタウロスが出ました」
「まだ嘘を続けるのかぁ!」
「「「ヒィッ!!」」」
教頭は机を破壊して怒鳴る。俺と教頭の両隣座る先生が情けない悲鳴をあげる。
「い、いやドラゴンは嘘でしたけどミノタウロスはガチですよ…ほ、ほらあのゴリラ先生だって今ダウンしてるじゃないですか!」
「ゴリ先生だろ!それにゴリ先生は子供が熱出したからと今朝帰ったぞ!」
「あいつ結婚してるのかよ!」
「そこじゃなぁい!!」
教頭の怒りゲージはMAXまで溜まる。もう顔が爆発するんじゃないかと思うほど真っ赤になっている。
「ごめんなさいね、もう大丈夫で……す?なんかあったの?」
丁度酔から覚めたカレン先生がやってきた。ナイスタイミング!いや、こいつが酔潰れてたせいでこうなったんだっけ?
「カレン先生!あなたから報告を!」
「は、はい。えーっと、道中は問題なかったのですがボス部屋でミノタウロスが現れました。しかし、次のボスが出てきたのはリーク通りゴブリンだったのでそこまで問題はないかと」
「そうか分かった」
「ほら!ほらほら!ミノタウロス出ただろ!」
「うるさい!レンヤ先生は黙っとれ!」
結局俺達E組はダンジョンは問題ないとして修学旅行先は変更にならなかった。




