夢と信じたい
「………?どうしたんですか?魂が抜けたみたいな顔をして」
「…………」
「………?レンヤ先生?」
「…………」
「おーい、レンヤ先生、聞こえてます?」
「はっ、」
「おわっ!びっくりした、」
「あ、すまん」
あの後、俺は宿に戻ってきて1階のロビーで頭を冷やしていた。本当にあれは何だったんだ?
「どうしたんですか?何か変ですよ?」
「え?あ、いや、何でもないです」
「そう…ですか、じゃあ何かあったら言ってくださいね」
「ああ」
うーむ、…………分からん。
一応少しでも酔いを覚ますためもう一度水を一杯飲む。
「うーん、やっぱり酔ってなかったよな」
だいたい酔ったら分かるものなのであのときは確実に酔っていなかったはずだ。
「何辛気臭い顔してんのよ」
「いや〜イケメンだなんて照れるな〜って、え?」
何かいつもの声がしたのでいつものような返事をしたのだが……
「何でルシアがこんなとこにいるだ!?」
「ちょっとうるさいわよ。ていうか本当に話聞いてないのね……今日教師陣は集まって明日は会議かつ宴会。会議はこの宿の部屋を使わせてもらうって言ってたでしょ」
「…………知らん」
ルシア達も俺達と同じように違う場所でダンジョンの下見に行ってたのは知ってたけど、まさか集まるとは……あ、だから部屋があんなにデカかったのか…
「あのね……」
「聞いてないもん聞いてない」
「開き直るな」
「てかノアやレナは?」
「さぁ?まだなんじゃない?みんな別々だったし」
「そっか」
「ルシア先生〜ちょっといいですか〜?」
「あ、はい。じゃあごめん」
「おう、がんば」
ルシアは他の先生に呼ばれてそちらの方に行く。…………あいつって仕事はやってるんだ…
「いや〜男性教師が集まって一つの部屋で泊まるっていうのもいいもんですね〜」
一人の教師……たしかゼム先生が呟いた。
「それな」
「俺も思った」
などと他の先生達もそれに賛同して盛り上がる。
「そう言えばレンヤ先生はどうだったんですか?今回初めてだったんでしょ?」
「ん〜、セレナ先生がエグ強いとしか思わなかったな」
一瞬でミノタウロス倒してたしな
「そりゃそうですよ。セレナ先生ってこの学園の元生徒で元四天王最強。そんでもってあの美貌と優しい性格。あ〜、俺もセレナ先生と同じ班になりたかったな〜」
「E組の副担っていうはどうだ?」
「絶対嫌です」
さっきまで変に顔を赤らめて変態みたいな顔をしていたくせに急に真顔になった。
「じゃあ、毎年恒例のやつをしますか」
「そうだな」
「今年もやるのか……!」
誰かが恒例のやつといった瞬間急に盛り上がりだした。いや、なんなんだよ?
「レンヤ先生、これを」
一枚の小さな紙を渡された。白紙で何も書かれていない。
「なにこれ?」
「ここに俺達の中で一人名前を書くんだ。そしてその数が多かった人に……」
「多かった人に?」
「女性教員をここに誘って一緒に遊ぶ!」
高校生かよ!
「毎年遊んでいるんだが、いつも誰も来てくれない。今年こそは!」
いやそりゃこんなところに来たくないでしょ普通。
まあ、取り敢えず俺は適当にゼム先生と書いた。
「じゃあ、開けるぞ」
みんなが書き終わって真ん中に集めたものを中心の教師が一枚ずつ開いていく。
「集計の結果」
え?なんもメモしてないのわかるもんなの?
「レンヤ先生となった」
「新人イビリかよ!!」




