ダンジョン
「ここがダンジョンかぁ……」
どデカイ扉の前でポツリと言葉を漏らす。
本当にダンジョンは良い思い出がない。いきなり分断されるわ、家は潰れるわ、本当最悪。
「さあ、さっさと終わらしちゃいましょう」
昨日ベロンベロンに酔っていたのに二日酔いでもなさそうにピンピンとしている。
途中の馬車で「私ってカリスマだからよっていても宿屋にも正しく行けるのよ」と言っていた。
いや、俺が運んだんだよ!
俺は心の中で叫ぶが一応先輩の顔をたてるため口には出さない。
俺達はダンジョンに足を踏み入れた。前のダンジョンとは違って道がかなり舗装されている。
歩いて数分後、モンスターが現れた。
「ゴブリンね」
俺は事前に渡されていたノートにゴブリンと書く。
ダンジョンでは現れるモンスターが時によって変化する場合がある。
そのためこうやってチェックする必要がある。
俺がチェックし終わるといつの間にかゴブリンの姿はなかった。
「あれ?ゴブリンは?」
「??倒したじゃない」
あー、そうですか…
音もしなかったんだけど?
そんな一瞬で殺っちゃったわけで?
「さ、さっさと行くわよ」
カレン先生はせっかちなのかすぐに歩き始める。
「ここがゴール地点ね」
少し開けた場所に出るとカレン先生が言った。
「ふぅ〜休憩……」
と思って休もうとした時地面が揺れ始めた。
「はぁ?なに!?」
「ここはボス部屋ですよ」
「ボス〜!?」
聞いてないし!!
そしてそこに現れたのはいつぞやの
「ミノタウロス〜〜っ!?」
亜種ではないにしろ、最初に俺を苦しめた宿敵。こいつだけは俺が……
俺はちらりと他の先生を見る。カレン先生は余裕の表情で、ゴリラ先生は力比べでもしたそうな顔で、セレナ先生は真剣そうな顔をしている。
あ、やっぱり任せよ。
「………これは生徒達には無理そうね」
ボロボロの姿のカレン先生がそういった。
余裕で勝てるのかと思いきや、かなりボコボコにやられていた。
まず、ゴリラ先生が突進していって力比べで負けた。というか腕を払われただけでノックダウンだったし……
次にカレン先生が魔法を繰り出し戦ったが全く効いていなかった。挙句の果てに杖で攻撃して吹き飛ばされていた。
あの余裕の表情は何だったんだよ……
最後にセレナ先生が戦ったが、あれはなんか呆気なかった。
だってセレナ先生がゆっくり歩いて、サクッと殺っちゃったからな。
その間ミノタウロスなんか身動きとっていなかったからな?堂々と歩いているのにだぞ?
セレナ先生って実は化け物なのか?
「もう、このダンジョンは無理じゃないですか?」
「大丈夫よ、このレベルのボスはたまにしか現れないから。それにいたとしてもセレナ先生がいるから大丈夫でしょ」
「まあ、あの程度なら……」
あの程度!?図体のデカいゴリラ先生が一瞬で吹き飛ばされたのにあの程度!?
「ていうかリーダーなんだからもう少し頑張って欲しかったなぁー、………あ」
おっとマズイ
心の声が出ちゃった
「レンヤくん、それはタブーよ」
ズンっ!と俺の顔まで顔を近づけて怒った。
「だいたい単体でBランクの魔物なんて勝てるわけ無いでしょ。一流じゃないと勝てないのよ」
「え?カレン先生って一流じゃないんですか?」
「当たり前よ。この学園で一流に当てはまるとしたらセレナ先生くらいじゃないかしら」
「まじか……」
やっぱりセレナ先生は化け物だったのか…
「まあ、取り敢えず帰りませんか?」
さっさと帰って風呂に入りたいのでそう提案する
「「は?まだよ」」
「え?」
「次、違うルートを見に行くのよ」
「……マジ?」
「マジマジ」




