力の解放
「俺は思ってしまった!」
俺は立ち上がって拳を握る
「え?何、急に」
ルシアはビクッとして紅茶をこぼしかけて聞いてきた。
「力だ、力!もう解放しよう!」
「え、レンくん?それってピンチのときにっていってなかったけ?」
レナが戸惑った表情でいう
「そんなこと言った覚えはない」
「いや、言ってたわよ!」
「うん……言ってたね」
俺の否定はあっさりと全員に覆された。
「うっ……まあいいじゃねぇか。昔のことなんて」
ジーーっ
三人はジト目で俺を見る
「な、なあ?いいだろ?」
「「「はぁ」」」
三人同時に溜め息をついた。
「で、なんで力を解放させよう思ったのよ?」
「それはーーー
ぶっちゃけこの腕輪がお風呂のとき超邪魔。しかも腕輪の角が肌に当たって痛いしー。」
「そんな理由………」
「兎に角サクッと解放すんぞ!」
と、俺はそのままの勢いで腕輪を外した
うおぉぉぉお!
力がみなぎ………らない?
「あれ?なんか変わったか?」
俺は自分の体を見回すがなんの変化を見られない。
「レ、レンヤ..!」
「ん?どうしたルシア」
何も変わった感じがしないのに3人は何故か驚いたような表情をしている。
「え、俺なんかし
「ヤバいわよ」
「え?」
至って真剣な表情でルシアが言った。流石に俺もちょっと緊張する
「……顔が」
「ん?顔?」
「顔が気持ち悪い!」
「よし、ルシア!表に出ろ!」
なんだよ!ただの悪口じゃねぇーか!というかヒドイ!ヒドすぎるっ!!
「そうじゃなくて顔を見て!ほら鏡!」
「あ?あら、なんてイケメンが……って誰!?っ俺!?」
俺の顔は少女マンガに出てくるようなイケメン王子様みたいな煌めいた顔になっていた。
「って、どこが気持ち悪いだよ!」
「…………あれ?前よりマシ?」
「てめぇぶち殺すぞっ!」
「冗談よ、ただただ今の顔が気持ち悪いだけよ」
「うー、ん複雑」
ん?
外した腕輪の裏に何かが書いてあった。
〈エセイケメンになる。(10分間)〉
「なんじゃこりゃ、ん?なになに」
まだ文には続きがあった。
〈どう?面白かった?〉
よし、ぶちのめしに行こう!
俺はそう心から誓った。
「へぇー、外したときに何かあるのね」
「顔が変わるのは嫌だね」
「そうね」
「次外すのは?」
「私でいいわよ」
レナが手を上げた。
「じゃあ外すわよ」
レナはするりと腕輪を外す
するとレナはみるみると小さくなって、子供の姿になった。
「「「可愛い」」」
素直にそう思ってしまうほど超可愛い。
レナってやっぱり子供のときから顔はいいんだな
ぐっぐっ
俺は手を引かれた
「パパ?」
っっ!!!!!
あれ、なんだろうこの気持ち
「どうした?」
俺は優しく尋ねる
「んーとね、エヘヘ」
「?」
「あのね、」
レナはそっと俺の耳元に手を当てて誰にも聞かれないように小さな声で言った
「だーい好き」
可愛い!!
「次、私いくね」
続いてノアが腕輪を外した
「んん?私は?」
「.......ぎゃ、ギャルだ!」
長くのびた爪、黒い肌、ルーズソックス、金髪
「え?ギャル?どういうものなの?」
「.....?チョベリグー?」
「ちょべりぐー?」
うん。俺も知らん。
「最後は私ね」
ルシアは腕輪をとる。
プチっ!
何かの音がして、俺の顔に何かがぶつかった。
「ん?ボタン?」
俺はルシアのほうを見ると、ルシアは何故かうずくまっている。
「おい、どうしたんだルシア」
「う、うるさい。黙って」
ルシアは顔だけこちらに向けて顔を赤くして怒ってくる
「んん?あれ~何を隠しているのかな?」
これは確実に恥ずかしいものに違いない。絶対にこの目で見て笑わなければ!
「あ、幽霊」
「きゃあぁぁぁ!」
ルシアは怖がって飛び上がった。
「え?」
俺の目には信じられない光景が映った。ルシアの特に胸のあたりが揺れているのだ。
「る、ルシア?その胸....」
「ぁぁ....」
俺は机の上にある腕輪をとって裏を見た。
<自分のなりたい体型になる>
「っぷ!ルシア、お前」
「うっさい死ねばか!!」
「ちょっ、おま」
ルシアは家の中なのに魔法を放った。
「ぎゃあああ」
「きゃああ」
「うわあぁぁぁん!パパ!!」
ルシアの魔法はいつものと比にならないほどえぐい威力を持っていて、巨大な竜巻ができ、家は木っ端微塵になった。




