四天王
「ーーこういうことです」
「そうか……」
全てを話し終えたイヴに何も気のきいたことが言えなかった。
だから代わりに、俺はそっとイヴの頭を撫でた。
「………っ!も、もう何年も前の話ですから」
「‥‥‥‥‥」
俺は頭に手をあてて考える
ベリアナってどこかで聞いたことある気がするんだけどなぁ?
いや、本当に。だから嘘じゃないって。信じてよ
え?じゃあ何かって?
……………知らん
おいそこ!溜め息をつくな!!
「だから、どうしても強くならなきゃならないんです!」
イヴはもう一度念を推すように言った。
「………はぁ、武闘祭はどういう大会だ?」
「え?」
「だから、どういう大会かって」
「えっと、競技は戦略、魔術、リレー、野球……」
「ちょっと待て、戦略、魔術はまだ分かるとして、なんだよリレーとか野球って。全然推薦うんぬん関係なくね?」
あ、なんかそういえば前に言ってたな。確か体育祭みたいなやつだった気がする。
「はい、関係ないですね。でも、武闘祭の後にある龍生祭のときに行われる武闘大会があるんです。それはクラスの代表5人の団体バトルなんです」
「へぇー、……?でも、それだったら、なんで武闘祭を優勝させる必要があるんだ?」
武闘祭の結果がどうであろうが龍生祭のときに勝てばいいんだろ?正直そこで優勝する必要があるんだったら、シードだろうがパッキンだろうがどこでもいいだろう
「武闘祭を優勝したクラスのみがこの学園の代表クラスとして龍生祭の武闘大会に出場出来るんです」
「そういうことか‥‥四天王特権とかないのか?」
「ありません。四天王は言ってもお飾りみたいなものなので」
「なるほどねぇー」
俺はクラスを見渡す。
一匹狼のランガ
ワイワイとさわぐ男子達
それを鬱陶しそうに見る女子達
「あれを勝たせるって……」
「お願いします、優勝させてくれたら、その、何でもしますから」
イヴは少し顔を赤らめながら上目遣いで懇願した。
なんでも?
俺はイヴを見る。
さっきこいつ公爵家の一人娘って言ってたよな。てことは……謝礼金、
いいねぇ~、一生遊んで暮らせる金が手に入るのか
「え、エッチなのはなしですよ」
「?そんなこと考えてないぞ?」
「そ、それならいいですけど…」
だいたい俺がお前みたいな子供に……
「あれ?お前って今何歳?」
「15になりましけど?」
あれぇ?俺ってこいつらたった一個上?
「どうしたんですか?」
「あ、いや、なんか複雑で」
「??」
一個下だったら恋愛対象?ていうか面接のとき年齢聞かれなかったな。確か、ルシアとノアも16だから……うん?俺は数学が得意だったから教えられるけど、あいつらは一個下の奴に教えててってあいつら賢くね?
「そういえば先生は何歳なんですか?」
「………16」
「私達の一個上だったんですね……え?一個上?」
「………ああ」
イヴが珍しく動揺している
「え、じゃあ研修を一年で終わらせたんですか?」
研修……そんなのしてるわけないだろ
「してないぞ、そんなの」
「え??教師って研修を終わらせないとなれないって」
「え……?」
「え………。よく受かりましたね。ここ、王国内でも屈指の指折り学園なのに」
「え?そんなにすごいの?」
知らなかったーぁ。だからランガはあんなに強かったのか
「‥‥でも力だけで頭は良くないよな、この学園」
「……あの、この学園頭でも国内トップクラスに難しいところですよ。推薦以外は知力、実力が必要ですからね」
「え……あいつらの数学のテストめっちゃ低いのに?」
俺が作ったテストの平均は23.4点
100点満点で
「それは先生のテストが難しすぎるんですよ。中間テストの結果見ましたよね?」
「んー、まあ。あんなの100とって当たり前のもんだろ?現にお前100だったし」
「私は得意ですから」
「まあー、そうっぽいな」
イヴは多分このクラスで一番賢い。テスト後になんか全部のテストの結果を書いた紙を渡されてみたら、群を抜いて一番だった。
「そういうことですから、優勝させてくださいね」
「なにが、そういうことだよ。まあ、ちょっと考えてみるけど…」
「ありがとうございます」
その言葉と同時にチャイムがなった
俺はクラスを優勝させることについて考える。まずは他のクラスを偵察する必要があるな。




