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イヴの記憶

私の名前イヴ・クライネス。公爵家の一人娘。


私には2つ下の妹がいた。


喧嘩もあったけれど、仲の良い姉妹だった。




「お姉ちゃん!火の魔法見せて!」


木の下でお昼寝をしている私を妹のラナが体を揺すりながら起こしてくる。


「もう、仕方ないなー」


私はのっそりと起き上がって、人差し指をたてる。


「いい?見ててね」

「うん!」


私は呪文を唱えた。



すると私の人差し指の先に小さな赤い炎ができた。


「おお~~!!」


ラナは目をキラキラとさせて、その炎に魅る。


「まだまだこれから、」


私は一度炎を消す。


そして、手を開いて、今度はさっきより大きな炎を作る。


そして、それを上に投げた。



バーン


上に投げた炎の玉は途中て爆発をする。


「わ~!!綺麗!」


昼間にやっているので、少し明るく見えにくいがこれは花火だ。



「やっぱりお姉ちゃんは天才だね!」

「ラナもこれくらいすぐに出来るようになるわよ」

「本当!?やったー!ラナ頑張る!」


ラナは嬉しそうにする。


「頑張れ~!」


私はラナの頭を撫でた。





この時はまだ知らなかった。まさか、あんなことになるなんて





私は叔父がいる国に訪れていた。もちろん妹のラナも一緒にだ。両親は業務で手が離せなかったので、今回は私達二人のちょっとした旅行だった。


「お姉ちゃん、帰る支度できた?」

「うん、出来たよ」


私は荷物を馬車に乗せ終えて、叔父に帰りの挨拶をするために叔父の家に行く。


叔父もまた公爵であり、業務が忙しく今回は来た時に会ったとき以来だ。



コンコン


「失礼します」

「お邪魔します」


豪華に飾られた部屋に入る。


「おお、イヴにラナ。どうした?」


「いえ、帰る前にご挨拶と思いまして」

「おお、もう帰ってしまうのか。そりゃあ残念だな。すまんなあまりもてなせなくて」


「いえ、今回の旅行は楽しかったですし、この国も素晴らしかったです」

「そうか、それは嬉しいね。あ、そうだ、これを持っていきなさい」


叔父はある本を渡してくれる。かなり年期のはいった本だ


「これは?」

「これは炎の魔法についての本でな。魔法構築や概念を事細かに記されているんだ。よかったら二人で読んでくれ」


「「ありがとうございます」」


二人でお礼をいう。


「では、失礼します」 

「じゃあ、またな。兄さんにもよろしく言っといてくれ」

「はい、分かりました」


叔父への挨拶を済ませた私達は、馬車に乗って出国の手続きを済ませる。


この国から私達の国まで馬車で5日程かかる。


「ねえ、お姉ちゃん。あの本見せて」

「ええ、いいわよ」


さっき叔父に貰った本をラナに渡す。


ラナは炎の魔法に興味を持って、今では私には及ばないものの、かなりの実力をつけてきている。抜かされる日もそう遠くはないだろう。


それから2日、何事もなく平穏に過ぎていった。


いや、今思えばあまりにも平穏過ぎたのかもしれない。動物どころか魔物一匹さえ遭わなかったのだから。



「ん?なんだ?」


御者が、前方に何を見たのか馬車のスピードを緩めた。


よく見るとフードを深く被った人が二人こちらを向いていた。


(なんだ旅人か、でもこんなところで何しているんだ?)


刹那、馬が歩みを止めた。いや、強制的に物理的に止めさせられた。


ドサッ


二頭の馬の首が落ちる。


「あ、あ、あああ!」


恐怖で御者は声がでなくなる。


「どうした?御者さん、……っ!?」


護衛に雇われている冒険者が御者の異変に声をかけると、首が落ちた。


「て、敵襲!!!各自戦闘態勢に!!!!」


馬車はこの馬車を含め5台あるため、全てに警告を伝えるために大声で叫ぶ。



「敵!?」


それは真ん中にある馬車にいるイヴやラナにも聞こえていた。しかし、正直そんなに不安はなかった。


なぜなら、ここで雇われている護衛の冒険者は全員Aランク。それがざっと15人程いる。絶対に負けるわけがない。


そう思っていた。


「お嬢様方、お逃げください!!敵が強すぎます!今すぐ‥‥」

「…っ!!」


危険を知らせに来た、冒険者が話している途中で首が落ちた。


私はラナの手をひっぱって馬車の外に飛び出た。


「後はそいつらのようですね」

「そうね~、もういいわギオン。後は私が殺る」

「はっ!」


女の声がした方がフードを取る。


姿を現したそいつは








魔王、ベリアナだった。













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