武闘祭
「それで、次の武闘祭についてなんですけど、種目決めをしてもらいます」
セレナ先生が教壇に立って言った。
「武闘祭?なんだそれ?」
「え?知らないんですか?12月の最初の週にする一大大会ですよ?」
は?そんなことすんのか?俺はこたつでゆっくりしたいな〜。
「では、種目決めをします。あなた達が参加できる種目は戦闘、リレー、魔術、野球があります。自由に決めてくださいね」
へー、やっぱり異世界だな。戦闘とか魔術とか野球とか………野球!?
「お、おいおい、野球ってあれだよな?ピッチャーとかバッターとかがいるやつ」
「?そうですけど何か?」
ええぇ!異世界に野球とかあったの!?
「では、やりたい競技をこの紙に書いて提出してください。ちなみに出れる種目数は一人一つです」
セレナ先生はプリントを配りながら説明をする。
武闘祭
12月初期に行われるこの学園のメインイベント。学園のクラス対抗戦。要は、体育祭。
つまり
「だるい」
(何職員会議でそんなこといってるんですか!)
横からセレナ先生につねられる。仕方ないじゃん。教頭の話は長いし、眠いし。
「ふぁーあ」
俺は大きなあくびをする。
「レンヤ先生!聞いてますか!」
「右から左に受け流しています」
「何をワケわからんことをいっておるのだ!」
ちょっと古かったかなー。
「じゃあレンヤ先生、何か意見はあるのか?」
は?意見?すみませーん何にも聞いてませんでしたー。
トントン
肩を叩かれる。
(龍生祭のことですよ)
セレナ先生が俺が聞いていなかったことを予知していたように教えてくれる。
「龍生祭ってなんですか?」
「「「………………」」」
いや、みんな固まらないでよ。恥ずかしくなっちゃうじゃん。
遠くにいるルシア達を見る。
なにやら頭を抱えているようだ。
「貴様、今まで私がしゃべっていたことを聞いてなかったのか?」
「いやー、聞いてましたよ?流星祭でしょ?あれ?金平糖祭?なんかその話でしょ?」
俺が話すと教頭はさらに怒りだした。
「龍生祭だ!!それに、龍生祭の説明もし終わったばかりだろ!なにが「龍生祭って何ですか?」だ!お前は後で私のところへ来い!」
「ちょっと用事が」
「はぁーーー!?」
鼓膜が破れそうなほど大きな声を出す。
「きょ、教頭先生。今は取り敢えず龍生祭の話を…」
「……はぁ、それでは案のある人は?」
教頭は仕切り直して聞く。
「はい」
「なんだね、セレナ先生」
「やはり、ここは戦闘はいかがでしょう?教員同士の」
「いや、それは武闘祭の前座の方がいい。ここはやはりパフォーマンスを」
「いやいや、シンプルにお笑いを」
などと皆口々に意見をだしあう。
ガラガラ
「失礼するよ」
と、そこへ学園長が入ってきた。
「君達に伝えたいことがある。次の龍生祭、勇者パーティー御一行が特別ゲストとして来てくれることになった。」
「「おお!」」
他の先生達が感嘆を漏らす。
「ちなみに何の勇者ですか?」
「勇者最強と名高い、聖剣の勇者だ」
「ええ!?あの!」
「これは凄い!」
「サインもらわなくちゃ!」
先生達は聖剣の勇者と聞くなり更なる歓声が上がった。
(聖剣の勇者?なんだそれ)
「静かに、それゆえ必ず粗相のないように」
それだけを言って学園長は出ていった。
「……よし、龍生祭は必ずいいものにする」
教頭が改めて言い直した。
「そのために
レンヤ先生はその日出張だ!」
「ええっ!?」
出張!?勇者に会えるのに!?
「今学園長が言っただろう?粗相のないようにと。お前がいなければ全て解決なのだ!」
ええー
「教頭ーそりゃないですよ!」
「今までの行いが悪いお前が悪い!」
「どうせなら出張じゃくて休みにしてくださいよー」
「は?」
え?いや、出張はいやでしょ面倒くさい。休みなら自由だし。
「お前勇者に会いたくないのか?」
「会ってみたいですよ?でも休みの方が大事」
あれ?またみんなポカンって顔してる。
そんなに勇者に会いたい?
「はぁ、わかった。だが、お前だけでは心配だからな。そうだな、他の新しく入ったルシア先生、ノア先生、レナ先生も行ってくれ。文句があるならレンヤ先生を恨めよ」
急に振られたルシア達はキョトンとしていた。
「ずるい!レンヤ先生だけずるいぞ!俺だって行きたい!」
と、一人の男の先生が声をあげた。よく見るとあの時煽ってきたうざい先生だ。
ルシアとレナは軽蔑の目を、ノアは呆れているが、その教師は意に介さない。
「私も行こう!」
また、職員室が凍りつく。次から次へとど変態ばっかりだな。
「おい!君達!」
一際イケメンの先生が机を叩き声をあげる。
「勇者パーティーにも可愛い女子がいる」
「な、なんだって!?」
「それは本当か!?」
異様に二人が食いつく。てかここの男の教師達は変態しかいないのか?
「それも飛びっきり。最近新しく入ったみたいだよ」
二人の教師は唾を飲む。
「はぁ、仕方ない。レンヤ先生に任せるよ」
「ああ、譲ってやるからな」
「お前ら!当日は門番だ!」
「「ええ!!」」
二人は動作を誇張して大袈裟に驚く。
いや何これ?こいつらお笑い芸人なのか?
「てことでレンヤ先生は当日実習で使うダンジョンの下見だ!」
「うーす」
なんかまた、教頭の顔が赤くなった気がするが無視をした。
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