俺、魔法を使う?
本日2話目です。
「なんであんたって体丈夫なのよー?」
「酷くね?俺に死ねと言ってるのか?だいたいあの高さから落ちたから死んだと思ったぞ!たまたま体が丈夫になってたから良かったもののそうじゃなければ死んでたぞ、俺!」
猫耳少女ルシアに吹き飛ばされた俺は、そのまま地面に落ちたのだが、何故かからだが丈夫になっており、奇跡的に助かった。
「うっさいわねー、無事だったからいいでしょ!」
「いや、そういう問「は?何?」……なんでもないです。」
俺ってとことん女に弱いな。つーか女が強過ぎだと思う。あんな目されたらだれだってなにも言えなくなるぞ(恐ろしいって意味で)
「あっ、そうだ魔法教えろよ~。」
「じゃあ私の願い聞いてくれる?」
「しゃーねーなー、奴隷以外なら聞いてやるよ」
「教えてあげるのこのわ·た·しなんだけど?」
凄く笑顔で、しかし目の奥が笑っておらず、すごく悪寒がする。
「教えてくださいお願いします。そして、奴隷以外の願いならなんでも……ある程度叶えましょう」
「よろしい。じゃあ、私の仲間になって」
そんなのでいいのか?というか
「………友達いないのか?」
ルシアは魔法を構える。やっぱり友達いなかったんだ。
そして俺はまた、吹き飛ばされた。
「で、どうすれば魔法使えるんだ?」
全身ボロボロになった俺はルシアに尋ねた。
「体内の魔素の循環を意識し、自分の使いたい魔法を想像する。それでうんちゃらかんちゃらしたらできる。」
「うんちゃらかんちゃらとは?」
「自分で考えるのよ!なんでも人にたよったらダメよ!」
(こいつ感覚派だったのかよ!一番重要なとこ抜けてんじゃねーか!)
とりあえず俺は炎の玉をーーっあれ体内の魔素ってどうやって意識すんだ?
「なあ、ルシアーーって寝てんじゃねーか」
ルシアは疲れたのか塔にもたれかかって寝ていた
(こいつ、よく見たらめっちゃ可愛いな!しゃべらなかったら完璧なのに)
仕方がないから自分で考えようとしたが、
(ちょっとぐらい触っていいかな?ばれなきゃいいよな?男がいるのに無防備に寝てるのが悪いよな?)
何度か葛藤し、
俺は決心して寝ているルシアに近づきーーーー
「ふみゅっ」
「っうん」
そしてすぐ目を覚ましたルシアと目があい、
「なにやってるの!この変態!」
また俺は吹きとばされた。
「なにやってるのよ!あんたは、ほんと油断の隙もないんだから!」
「すまん……ちょっとした好奇心で……だいたいルシアが寝るのが悪いんだろ?俺がいるのに!」
「あんたを召喚するのと風魔法を何回もつかったのが原因なの!わかる?」
「だから悪かったって、だいたいちょっとくらいいいじゃん猫耳触るくらい」
そう俺は悪くない。別に胸とかお尻とかさわったりするわけがない。っていうかそんな度胸ない!
じゃあなんで猫耳さわったかというと俺は猫が大好きだからだ。猫耳とかあったらさわりたくなるじゃん?猫好きにはわかるよね?ほんとは尻尾もさわりたかったのに…うん不可抗力だ!
「なあ、もう一回さわらせてくれない?」
ルシアはとびっきりの笑顔で(目の奥は笑っていない)
「反省しろーーー!」
俺をまたまた吹きとばした。
ルシアは疲れた体にさらに3回の魔法を使い、また眠ってしまった。今なら猫耳さわっても問題なくね?と思ったが、目を覚ましたら怖いので今はやめとくことにした。
ルシア曰く、魔法は一人一属性しか使うことができないらしい。種類は火、水、雷、氷、風、土、光、闇、聖(回復や身体強化など)、邪(魔物テイム)などがある。ルシアの場合は風魔法。嵐を起こしたり、さっきみたいに空を飛んだりできるそうだ。うらやましい。空とぶとか地球人の夢じゃん!まあ俺は全然飛行機とかのりたいけど。
俺は適当に魔法を全力でぶっぱなした。
はじめは小さく魔法を使うと自分の適性が安全にわかるらしい。もっとはやく言ってほしいよねー。そんなんだから俺ーー真っ黒焦げになっちゃうんだよ!
「アハハハハーーーーーー♪あんた馬鹿でしょ♪自分ではなった雷にうたれるなんて♪お腹痛いんですけど♪あははーー」
「うるっせっ、ちょ回復魔法使ってくれたのむ!痛い過ぎて死ぬ!たのむ!
「ほんとーにあんたってバカよね~♪」
「俺が悪かったから、つるぺたとかアリンコとか言って悪かったから、たのむ回復魔法ーっわゴブリンが集まってきた!?助けてー!」
「しょうがない」
ルシアはそういうと左手を前に出し、「風切り」と静かに言い、刹那ゴブリンの首が落ちていった。
それをみた俺は
「オエーーーーーーーー」
あまりのグロさに吐いていた……………
「な~もっと優しく殺せねーの?」
俺はグロい(怖いのも)が苦手だ。ホラー映画とか夢にでるじゃん。見たことないけど…。
「助けてあげたんだから感謝しなさいよ!」
「じゃあついでに回復魔法もお願いします!」
「あんたってほんとにバカよね!?私最初に言ったよね!?一人一属性だって、私が回復魔法使えるわけないわよ!」
(「なんだよ、使えねーな」)
「は?助けてもらった分際で何様のつもり?」
(しまった!心の声が口にでてた!俺の口っめ!よし!)
俺は心のなかで自分を叱りつける。
「なに一人で納得したつもりでいるの!」
「すまんすまん、それでポーションとかないの?」
「あるわよ。はいどうぞ」
「サンキュー」
「私の飲みかけだけど……ってもう飲んだの!?それ結構高かったからちょっとで良かったのに…」
「なあ……これってその…間接キス?」
自分で言っていて恥ずかしくなり顔が火照ってるのがわかる。チラッとルシアの方を見るとルシアも真っ赤になっていた。改めてみてもやっぱり可愛い。
「なにじろじろ見てんのよ!」
「いやー顔がトマトみたいだな~と思って♪︎」
「悪かったわね病人みたいな顔で!」
「えっ?トマトって赤色だろ?病人の色は白でしょ!」
「あんたこそなにいってるのよ?トマトは純白に決まっているでしょ!」
白いトマトってなにそれ、まずそー。そういえば腹減ってきたな。転移してからなにも食ってねーからな。
「な~そろそろルシアの家に帰ろう?腹へった」
「私の家ないわよ」
「どっち方…………っは?」
「だ·か·ら私の家なんかないわよ」
「じゃあどこに住んでるんだよ?宿か?」
「塔」
「はははー塔ってあれか、さっき俺らがいたあそこ」
ルシアって以外と冗談言うんだな、そんな嘘すぐバ「そうよ」…………………………………………
「異世界最初はふかふかのベッドで寝たかったーーーーーー!」
俺の願いの叫びむなしく広い草原にきえていった。