家2
そして数分後、僕は夜ご飯を作った。そこまで僕は料理に関して造詣が深くないため、歪な料理ではあるが、咲姫さんは笑顔で美味しいと言いながら完食してくれた。よほどお腹がすいていたのだろう。まだ食べたいと宣っていたので、カップラーメンを作って空腹を満たさせた。
「ありがとう、本当に美味しかったよ。君って男なのに料理ができるんだね。これは女子にモテるよ」
「ありがとうございます。まぁ料理が少しできる程度じゃモテませんよ。それに女子どころか男子すらも話せてません」
「そうかそうか、他の人間は見る目がないんだな。いや、夥くんが他人に自分を見せていないのかもしれないけれど。」
えぇ、その通りですとも。
他人と話すなんてわざわざ自ら疲れに行くようなものだ。学校で疲れているというのに、貴重な休憩時間まで他人と話すなんて僕にはおよそ理解ができなかった。必要な時だけ話せばいい。
「少し早いけど、私はもう寝るよ。あ、私を泊める対価として毎日、淫らなことを私を使ってしてもいいけど、もちろんするよね?」
「何がもちろん、ですか。大体、その生活が疲れたから僕に泊まらせてって頼んだんじゃないですか。まぁしたくないと言えば嘘になりますが、まだ見知って数時間しかたってないですし、それに今は休んでほしいのでしませんよ」
「君は本当に優しいよ。まぁそんな返答が来るって信じてたから聞いたんだけどね。でも、優しいっていうのは時として自分を苦しめるものだよ?君はあまり他人と接したことがないから実感が沸かないのかもしれないけれど、優しさは身を滅ぼす、だからね」
...貫禄があるからだろうか。妙に言葉が重たかった。
兎にも角にも、彼女は僕の指定した部屋に行き睡眠の支度を進めたようだった。
こうして、僕の生活を急激に変える一日が幕を閉じたのだった。