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異世界に召喚された俺が魔王だと言われましたが何か?  作者: けろよん
第三章 勇者現る

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18/41

日曜日の朝

 次の日、気持ちの良い朝の目覚めだった。

 俺は日曜日ぐらいゆっくり寝ていてもいいと思うが、一緒に寝ていた少女達はもうみんな起きていて、それぞれに活動を始めていた。

 あいつらみんな昨日寝るの早かったもんな。俺はなかなか寝付けなかったのに。ちょっと落胆してしまう。

 別にもっと一緒に寝たかったなんて思ってないんだからね。ほんの少ししか。

 こんな朝っぱらから誰に言い訳してるのか。俺も起きよう。


「あいつら、朝から元気だよな」


 俺は朝はよく怠い気分で起きるのだが、少女達は朝から元気で活発だった。

 子供だからだろうか。リビングに入るなり、


「おはようございます! 魔王様!」

「おはようございます」

「おう、おはよ」


 とても元気な挨拶を送られてしまった。対して冴えない寝起きの顔で挨拶を送る俺。

 俺は朝やっている番組は時間が早すぎるんじゃないかと思ったこともあったが、こんな朝から元気で溌剌とした少女達を見ると、あながち間違いな時間じゃないのかもと思った。

 世界は平和だ。魔王を狙う勇者なんて現れないし、現れるはずもない。


「来たとしても帰り討ちにしてやるだけだけどな」


 こっちの世界の俺に異世界で発揮しているような超常的な力なんて無いが、ちょっとやる気を出してみる。

 時計を見るとちょうど朝のアニメをやっている時間だったのでテレビを付けてやると、フェリアとセレトはすぐにやってきてテレビの前に座ってわくわくして見始めた。

 ヒナミはというと、


「もう二人とも。お皿出してって言ったのに」


 朝食の用意をしていた。この子料理が得意なんだろうか。俺は改めて見直した。

 現代の調理器具ももう全く危なげなく使っていた。


「何か分からないことはあるか?」


 俺が訊ねると、ヒナミがちょっと困ったような顔になった。


「実はそれがよく分からないんです」

「なになに?」


 召喚術を研究して魔王の召喚を成功させ、こっちの世界の調理器具をも軽々と使いこなして見せるほどの人が分からない物とは何だろう。

 気になって彼女の視線を辿ると、そこにあったのは俺がさっき使ってテーブルに置いたばかりのテレビのリモコンだった。

 確かに無駄にボタンが多いし、分かりにくいかもしれない。俺自身まだ知らない機能もありそうな気がする。

 ヒナミにとっては放送している番組やチャンネルも分からないかもしれないし、レコーダーの使い方まで教えると手間が掛かりそうだ。

 俺はどうしようかなと思いつつ、快く頷いておいた。


「また後で教えるよ。今は朝食の準備に集中しないとね。お皿は俺が出すよ」

「ありがとうございます、魔王様」


 テーブルの上にお皿を並べる。こういう雰囲気悪くない。

 ヒナミがお皿の上に料理を装い、みんなで集まって朝食にすることにした。

 テレビを見ながら箸を進める。団らんだ。

 ヒナミの作った飯は旨い。俺は有能なシェフに向かって訊ねた。


「これは何を使って作ったんだ?」

「あの箱の中にあった物で作りました」

「あの箱か」


 ヒナミがあの箱と呼んだのは冷蔵庫だ。俺は一応現代の知識として教えておいた。


「あれは冷蔵庫というんだ」

「こっちの世界でも冷蔵庫というんですね」

「そっちの世界にもあるのか、冷蔵庫」

「はい、形や仕組みは違うんですけどね。用途は同じだと思います」


 うーん、世界は不思議だ。俺は改めて実感する。

 みんなお風呂にも普通に入ってたし、異世界とこっちで共通するものは他にもいろいろありそうだ。

 異世界の学校に入学でもすれば向こうの知識を学べるのだろうか。

 ちょっと思ったが、調べようと思うほど俺は研究熱心では無かったし、現役の高校生としてはリアルの公式や歴史や英単語を覚えた方が有意義であろう。

 それに魔王が入学なんて。大人が小学校に入るみたいでかっこ悪いと思った。

 おっと、考え事をしている場合じゃない。フェリアがもりもり、セレトがもくもくと朝ご飯を食べている。

 俺も早く食べないと無くなってしまう。人数が多いと自分のペースで食べられないのがやっかいだなと思いながら、俺はありがたくヒナミの作った朝ご飯をいただいていく。

 みんなで食べ終わる頃には、俺はもうスーパーで弁当買ってこなくていいなと思ったのだった。

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