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無限なる図書館へようこそ

幸運な来訪者、それとも不幸な遭難者。

ここを訪れたあなたは、どちらなのでしょうか。

 いらっしゃいませ。無限図書館へようこそ。

 本日のご来館を歓迎いたします。


 無限図書館は、この世とあの世の接する境界、昼と夜の交わるあたりにあるといわれています。けれど、正確なところは誰も知らないでしょう。

 いえ。あるということ、それすら真実かどうか。

 ただ、ある、と言われている。それだけが真実なのです。

 無限図書館の外観は知られていません。訪れた人はみな、その外観を知らないのです。

 というのも、誰も彼も、いつのまにかこの図書館に迷い込んでいるので、外観を見ることがないのです。

 そう、今のあなたのように。

 窓から差し込む光が、廊下や書架を照らしています。けれど、窓の外を見ることは難しいでしょう。まず外に繋がる窓を備えた壁を探さなければなりませんから。

 館内には、数え切れないほどの本に埋め尽くされた書架が限りなく並び、はるか彼方には霞むほどに積み上げられた書架がそびえ、その間を迷路のように張り巡らされた六角形の通路と、螺旋を描く階段が結んでいます。

 どこまで上っても、どこまで下っても。壁と床を埋め尽くす書架と、書架を埋める書籍、静寂に満たされた閲覧室が続いています。

 ですから、もしかしたらこの図書館は、外から見たら巨大な蜂の巣のような姿をしているのかもしれません。

 無限図書館には、今までに書かれた世界中すべての書物が、すべて一冊ずつ収められています。この図書館にない本は存在しません。

 もし知識を求めてこの図書館を訪れ、目的の本を得られたならば、それは求める人にとって至上の幸福となるでしょう。

 でも気をつけて。

 無限図書館は、無限なのだということをお忘れなく。

 入口も出口もありません。探すことに夢中になって時間の経つのも忘れてしまうと、帰り道どころか帰ることすら忘れてしまうことでしょう。

 無限図書館では、迷い込んだ人の影だけを見かけることも当たり前のことなのです。

 その昔、ボルヘスと名乗る方も迷い込み、この図書館の存在を書き残したようです。彼はその人生の間に何度か訪れていましたが、今でも時折館内を歩き回っています。

 無限図書館は、知識の宝庫であり、かつ知識の迷宮でもあるのです。


 では館内をご案内いたしましょう。



実は本物をちゃんと読んだことないのですが。

多くの作品でお見掛けしますよね、無限図書館。

ぶっちゃけ、死後死体を換気口に投げ捨てられるとしても、そこで一生過ごせたらと思います。


どうでもいいけど、ここの換気口は、下向きについてるのか…?


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