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第9話

一次会が終わり、ケイコは一人で駅に向かう。駅前の広場は12月に入ったばかりだというのにクリスマスモード一色だ。


『今年のクリスマスはどこのケーキにしようかな。』


ケイコは独り言をいいながらクリスマスツリーを見つめる。


『昔は張り切ってクリスマスプレゼントとか選んだりもしたし。可愛いコートで着飾って、ディナーに連れて行ってもらったりもしたなぁ。』 


ケイコの胸の中で、恋をしていた時代の記憶が蘇る。


『私も年をとっちゃたね。』 


結婚してからも、家庭のため、子供のために頑張り続けた自分に話しかける。


『でも、子供たちも元気だし、今年もまた子供たちとクリスマスを過ごせるだけでも幸せだと思わなきゃね。』 


そう言い聞かせて自宅に電話を入れる。母も子供たちも、たまにはゆっくりしておいでよと気遣ってくれる。


そんな家庭の優しさを感じながら、ケイコはいつものケイコに戻り、駅のホームへと歩いてゆく。



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