31/32
第31話
4月頭、桜がちょうど美しく咲いている。18時に駅前で待ち合わせたケイコとケンジは、小綺麗な居酒屋の個室に入る。
「いつまでも美しく輝くケイコさんのBirthdayに乾杯。」
「ありがとう。恥ずかしいけど、嬉しい。」
クリスマス以来の再会。話も弾み、お酒も進む。
「逢ってくれたってことは、一応嫌われてないってことなんで、ホッとしてます。」
酒が進むケンジ。
「嫌いになんてならないよ。でも、好きになってはいけないの。」
ケイコもほろ酔いだ。
「いいとか悪いとかじゃなくて、好きになってしまったんだから、しょうがないんだよ。」
「子供じゃないんだから、わがまま言ったらバチが当たるわよ。」
「あんなキスするから、忘れられないんじゃん」
お互いあえて触れなかった別れ際の深い口づけ。
「あれはね、1日だけの特別なX'masプレゼント。忘れないといけないの。」
ケイコは大人の目を見せながら、ケンジに微笑みかける。
「もう、魔法はとけちゃったの。」




