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第29話
ケンジは、仕事中も合間をぬって携帯をチェックした。そして残業を終えて帰宅。ケイコからはメールが来なかった。
「やっぱりそうだよな。ケイコさんは、そんなに軽い女じゃないよ。だからこそ、惚れたんだろ。」
自分に言い聞かせる。
「潔く、諦めるしかないか。」
ぐっすり眠る子供の顔を見ながら、冷静を装う。
「神様が、ちゃんと見てるんだろうな。」
いつの間にか、ケンジは深い眠りについていた。翌朝、ケイコは通勤電車の中でメールを送った。
「ケンジさん、メールありがとうございました。もう、38歳になってしまいました。ちゃんと子供達に祝って貰えましたんで、大丈夫ですよ。ケンジさんは、相変わらずお忙しいですか?お体に気をつけてくださいね♪」
ケンジも、通勤途中にメールが届く。すぐさま返信。
「ケイコさん。さすがケイコさんのお子さん達は優しいですね。僕も負けられないな。お祝い、何がいいですか?イタリアン?和食?来週あたりどーですか?」
返信が来たからには、攻め続けるのみ。




