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第28話
帰宅すると、母と子供達がBirthdayケーキを用意してくれていた。
「ロウソクは8本立てるね。」
息子がロウソクをきれいに立てる。さすがに38本は立てられない。また、年齢を意識してしまう。
子供達と夕食を終え、家事を片付け、入浴するのは23時過ぎ。安らげる、いつもの時間。湯舟につかりながら、ケイコはつぶやく。
「こんな歳してドキドキしちゃって。いやね。」
ケイコの心は揺れ動く。ケンジには、まだメールを返信していない。普通に、当たり障りなく、ただ御礼のメールを送ればいいだけ。悩むことなんてない。でも、帰宅途中、メールを送るのをためらった。理由はわからない。
「明日の朝には返信しなきゃね」
ケイコは布団に入る。ケンジの存在を、ケンジに恋している気持ちを思い出してしまった。だけど、今はメール出来ない。
ケンジは、愛する大切な家族と過ごしている時間だから。それが、現実。




