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第20話

2軒目はこの前と同じ店。雰囲気のいいカップルシートのカウンター。


ケンジはジンライム。ケイコはグランベリーのカクテル。


『僕、ケイコさんをもっと愛したい。』 


さっきまでとケンジの雰囲気が変わる。


『僕もそうだし、ケイコさんもそうだけど、お互い大切な生活があって、家族があって、自分がいる。それだけで幸せだった。他には何も望んでいなかった。ケイコさんに逢うまでは。でもケイコさんに出会い、話をしているうちに、軽く触れ合ううちに、ケイコさんと恋をしたい、その想いが出てきて、良くないことだってわかっててもその気持ちは消えなかった。信じて欲しい。』 


ケンジが気持ちを伝える。


『ケンジくんにあってから、毎日が楽しかったし、メールが来る度嬉しかった。そんな気持ちは何年ぶりだろう。でも家に帰って子供たちに会えば、罪悪感に悩まされていた。ケンジくんのことが好きだけど、本当に嬉しいけど、やっぱりお互い良くないよ。ツラい思いをするだけ。だから今ならまだ間に合うよ。ちゃんと奥さんとお子さんだけを愛してあげなきゃ。』 


ケイコが初めて気持ちを伝える。


『家族はもちろん愛してるし、子供は何よりも大切なもの。ケイコさんとの恋ならお互いを高めあうことも、お互い幸せになることも出来るんじゃないかな。この本当の気持ちを信じたい。』 


ケンジは引かない。


『まだ出会ったばかりだし、最初だけ盛り上がってるだけかもしれないよね。恋してる自分に恋したいとか。ちょっと冷静に考えた方がいいよ。私みたいな年上なんか好きになるなんてさ。』 


私と恋を始めても、きっとケンジにも自分にも幸せなどやってこないことを、ケイコはちゃんとわかっている。


突き進みたいケンジと、冷静に見つめ始めたケイコのやりとりは、切り口を変え、理屈を変えて、長い間カウンターに響き渡るのだった。


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