7・今度こそ、再会だ
今回はいつもより長めなきがするけどそうでもなかったようです
時が止まったように感じた。
脳が目の前の現象に追い付いていない。
自分にとって素晴らしすぎて、これが現実なのか信じられない。
「・・・あ・・・・あぁ・・・・あ・・・・」
あぁ、いっぱいいっぱいで声すら出てくれない
ぱくぱくと口を動かし、目を思いっきり開いている私は今どんなに間抜けだろうか。
ありえない大きさでも、しっぽが増えていても、私にはわかった。あの子だとわかったんだ。
涙で前がにじむ。前がぼやける、でも、ぼやけているうちにまたこの子がどこかへ行ってしまったら。必死で眉間に力を入れ涙をこらえた。きっともっと間抜けな顔になっているんだろう。
「・・・・・は、ぐろぉ・・・・・・」
名前を呼ぶ声は小さく、泣き声みたいになってしまった
それでも、ちゃんときこえたようだ。
「うにゃにゃん」
返事をして、すり寄ってきたハグロはやっぱり相当大きかったが
懐かしい、さわり心地だった。
「ハグロ、ハグロ、ハグロ、ぐすっ・・・っはぐろぉ・・・・・・・」
抱きしめても、今度は逃げなかった。
むしろさらにすり寄ってきて、私に体を押し付けかいがいしく舌で涙をぬぐってくれる。
その仕草が更にむかしの記憶まで呼び覚まし、さらに泣いてしまった。
沢山名前を呼ぶが、泣きすぎてちゃんと呼べやしない。
ハグロが必死になだめてくれるのにそれに反比例して私の涙は増えていく
「あんまり泣かないで~;;;」
・・・・・・・今の声は誰の声???
なんか、私の声を少し高くしたような、録音した自分の声を聴いたような、そんな声。
「あ、泣きやんだ。びっくりすると泣きやむってほんとなんだ」
その声は、気のせいかもしれないけれどハグロから聞こえたような気がする。
「かあさま、かあさま、うちのかあさま、また会えた。こんどこそ一緒にいられる。泣き虫のかあさま、弱虫のかあさま、優しいかあさま、愛しいかあさま、ずっと、ずうっと、うちといっしょにいようね」
ハグロから、猫から聞こえる私そっくりな声。
だけど私にはどうしてか、その声がハグロのものだと思ってしまった。
だって、猫は猫でも、こんなに大きくて、しっぽは二本だ。
人の言葉をしゃべっても、とうていおかしくはないでしょう?
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