6・塔の主
猫がいっぱいです
入った塔の中は、なんというか、乱雑としていた。
ところかしこに本が散らばり、積み上げられ、ビーカーやフラスコ、試験管など
実験器具が適当におかれている。
フライパンなどの調理器具や衣服の詰まった籠、コップやお皿、フォークなどもなぜそこに?という場所に置いてあって、ここの主は相当にものぐさなのだろう・・・と感じる内容である。でも、その中に見当たる猫じゃらしや、猫用のご飯の器、壁につけられている棚の配置などから、相当な猫好きだと察せられて、未知の物に感じていた不安や恐怖が一気に和らいだ。だって、猫好きの人に悪い人はいないのだから
塔の中を見回していた私の腕から、スルリと猫が抜け出し、ニャーと鳴く。
鳴いて、塔の奥のほうへ進んで、止まり、また鳴く。近づくと、また奥に進み、鳴く。
道案内だろうか・・・?そう思いながら、猫の後を追うと、どうやら猫は私を上の階に連れて行きたいようである。
らせん状の階段を上り、上り、上り・・・・・・最上階の、一つだけある部屋の扉の前で止まった。
扉の小窓は猫のマーク。ドアノブは伸びをする猫の形。
いままでこの塔を見て、相当の猫好きだとは思っていたが、ここまでとは・・・
不安や恐怖は完全に払拭され、今はただここの主にあって猫のことについて話したいという思いしかない。
素晴らしい装いのドアを、興奮のままにノックする。
キィ・・・
ドアが、あいた。
中には、また猫がいた。
だが、普通の猫ではない。
でかい。すごくでかい。座っていても私の背の高さくらいある。
次に、しっぽが二本ある。二本だ。日本の妖怪、猫又で有名な二又の尻尾だ。
そして、一番重要なのは・・・・その猫が、
「体のほとんどが白く」、
「首と足にだけ特徴的な黒い柄が入って」いて、
「しっぽは細めで長く、まっすぐ」で、
「鼻はきれいなピンク」で、
「すらりとした体躯」をしていて
「整った顔立ち」で、
「目は金に緑を少し加えたような色」をしていることだ。
そんな容姿をした、大きな猫は、私を見て嬉しそうに、
「うににゃにゃぁぁぁん」と・・・・鳴いた。
当初の内容の予定とは大幅に変更することにしました。
行き当たりばったりな内容となってしまいますが、
お楽しみいただけると幸いです