2・落ちる
書き直しました
手が届く。ハグロまであと1メートル。数十センチ。数センチ。
もう・・・少し・・・・
ゴゴ、ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!
すさまじい地響きの音が鳴り響いた。体が固まる。
地面が揺れる。振り向くと、木や土がずるずりと動いてるのが見える。
岩や石がごろごろと転がる音がする。
あの美しい景色がすべってくる。
じ、しん・・・・?土砂崩れ・・・?・・っは、ハグロ!!!
突然の音に固まっていた体を無理やり動かし、ハグロのほうを向く。
ハグロに手を伸ばし、抱え込もうとしたが、ハグロはするりとよけて逃げてしまう。
「ハグロ!!逃げないと!!」
ハグロは私のすぐ前にある大きな岩の上にかけ登った。私の身長の2倍以上ある大きな岩。あ、この場所なら・・・・
あの子には、私の助けはいらないらしい。あの場所なら、土砂は来ないはず。
ハグロに触れないのは口惜しいが、ハグロをもう一度見て、声を聴けただけで満足だ。きっと、ハグロはこの山で暮らしていくのだろう。もう、私も逃げないと・・・
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
振り向けば土砂はすぐ近くまで来ていた。
あと数メートルほどだろうか。
ああ、これは無理だ
ハグロに背を向け、目を閉じて覚悟を決める。
最後にハグロに会えたんだ。十分すぎるほどの冥土の土産になった。
心残りは少しあるが、まぁいいや。
「うににゃにゃにゃん!!」
ハグロの大きな声が響く。
振り向いた途端、ハグロが岩の上から飛び降りてきていた。
「ハグロ!!??降りちゃだムグッ」
ハグロが顔の上に落ちてきた。ものすごい勢いで体が傾く。
倒れこみ、地面にぶつかるはずの私の体は、何故か地面にぶつからない。
まるで深い穴か崖に落ちたような感覚。
意識が薄れる中、私が見えたのは、
上から笑ったように、でもどこか怒ったように目を細めこちらを見るハグロの姿と、
さっきまでいた場所を覆い尽くす土砂の山だった。
文章って難しい・・・っ
情景や展開は頭にあるのにうまく文章にできない・・・っ